
トヨタが生んだ本格スポーツカー、GRヤリス。その中古車市場は、現在驚くほどの価格高騰を見せています。
なぜこれほどまでに、GRヤリスの中古は高騰しているのでしょうか。その背景には、GRヤリスは生産中止になったのでは?という供給面の噂や、一部でささやかれる「売れない」という声の実情があります。また、元ランエボ開発者が関わったとされる特別な出自も、このクルマの価値を大きく左右しています。
GR86とGRヤリス、どっちが速いのかという性能比較や、その高い資産価値も気になるところです。今後の値落ちや中古相場の見通しは、購入を検討する上で重要な判断材料となるでしょう。
しかし、いざ手に入れるとなれば、中古の注意点や特に安い個体の見極め方を知っておく必要があります。魅力的なカスタムが施された中古車から、幻ともいわれるオジエエディションの中古価格の実態まで、この記事では多角的な視点からその人気の秘密と賢い選び方を徹底解説します。
- 供給不足と人気による価格高騰とその背景
- WRC由来の専用設計と卓越した走行性能
- 高いリセールバリューと将来の資産価値
- 修復歴や走行歴を見抜く中古車選びの注意点
GRヤリスの中古が高騰!その理由を徹底解説

- 「GRヤリスは生産中止?」受注停止の真相
- 元ランエボ開発者が関わった圧倒的な性能
- GR86とGRヤリス、どっちが速いのか比較
- 驚異の資産価値!今後のリセールはどうなる?
- 「売れない」は嘘?揺るぎない人気の実情
- オジエエディションなど限定車の中古価格
「GRヤリスは生産中止?」受注停止の真相
GRヤリスの購入を検討している方の中には、「すでに生産が中止されたのでは?」という不安を抱いている方もいるかもしれません。結論から言うと、GRヤリスは生産を中止したわけではなく、あくまで「一時的に受注を停止している」というのが正確な状況です。
その理由は主に3つ考えられます。第一に、世界的な半導体不足や部品供給の遅れが、自動車業界全体に影響を及ぼしている点です。GRヤリスのような高性能車は、専用部品や特殊な半導体を多く必要とするため、生産計画に影響が出やすい傾向にあります。
第二に、GRヤリスが生産される元町工場の専用ライン「GRファクトリー」では、GRMNヤリスやGRカローラといった他の特別なGRモデルも組み立てられている点です。このため、GRヤリスだけに生産能力を集中させることができず、供給台数が限られてしまう背景があります。
そして最後の理由が、トヨタの予想をはるかに上回る人気によるものです。特に2024年3月に発表された進化型モデルは、新開発の8速AT「GR-DAT」が追加されたこともあり、これまでのファン層に加えて、より幅広い層からの需要が殺到しました。その結果、大量のバックオーダーを抱え、新規の注文を受け付けられない状況に陥ったのです。
もちろん、ディーラーによっては割り当てられた在庫枠やキャンセルが出たタイミングで契約できる可能性もゼロではありません。しかし、基本的には供給が需要に追いついていない状況が続いており、このことが中古車市場の高騰を招く最大の要因となっています。
元ランエボ開発者が関わった圧倒的な性能

GRヤリスが単なるコンパクトカーのスポーツモデルと一線を画し、多くの自動車ファンを魅了する理由は、その圧倒的な走行性能にあります。この性能の背景には、「モータースポーツ用の車両を市販化する」という、一般的な自動車開発とは逆転の発想が存在します。
GRヤリスは、WRC(世界ラリー選手権)で勝利することを使命として、ゼロから開発されたホモロゲーションモデルです。この開発思想は、かつてWRCで一時代を築いた三菱のランサーエボリューションやスバルのWRX STIといった車種と共通しています。実際、ファンの間では「元ランエボの開発技術者がGRヤリスの開発に関わっている」という話がささやかれることもあり、そのパフォーマンスの高さに説得力を持たせています。
このプロジェクトを強力に推進したのは、自ら「モリゾウ」としてレースに参戦する豊田章男会長の「トヨタのスポーツカーを取り戻したい」という強い情熱でした。その情熱が結実したのが、GRヤリスの心臓部と言えるコンポーネントです。
- エンジン
新開発の1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジン「G16E-GTS」は、小排気量ながら最高出力304PS、最大トルク400N・mという、このクラスでは驚異的なスペックを誇ります。 - 4WDシステム
革新的な電子制御4WDシステム「GR-FOUR」は、路面状況やドライバーの好みに応じて前後のトルク配分を自在に変更可能。「NORMAL」「GRAVEL」「TRACK」の3つのモードを切り替えることで、日常のドライブから本格的なサーキット走行まで対応します。 - ボディ
軽量化と高剛性を両立させるため、ルーフにはカーボン素材、フロントフードやドアにはアルミ素材を惜しみなく採用。ドライバーの操作に俊敏に反応する、強靭かつ軽いボディを実現しました。
このように、GRヤリスは採算を度外視したかのような専用設計と技術の投入によって、唯一無二の走行性能を手に入れたのです。この特別な成り立ちこそが、GRヤリスの価値を決定づけていると言えるでしょう。
GR86とGRヤリス、どっちが速いのか比較
GRヤリスの購入を検討する際、同じGRブランドのスポーツカーであるGR86と比較する方は少なくありません。特に「どちらが速いのか?」という点は、多くの方が抱く純粋な疑問でしょう。この問いに対する答えは、走行するステージや「速さ」の定義によって変わりますが、スペックや特性を比較することで、それぞれの得意な領域が見えてきます。
まず結論を述べると、0-100km/h加速のような純粋な加速性能や、雨天時などの滑りやすい路面での安定性においては、4WDとターボエンジンを搭載するGRヤリスが優位に立つ場面が多いです。一方で、GR86はFR(後輪駆動)ならではの素直なハンドリングと、ドライバーが意のままに操る楽しさに大きな魅力があります。
両車の根本的な違いは、その開発コンセプトにあります。
項目 | GRヤリス (RZ) | GR86 (RZ) |
---|---|---|
開発コンセプト | WRC(ラリー)ベースの競技車両 | FRライトウェイトスポーツ |
駆動方式 | スポーツ4WD「GR-FOUR」 | FR (後輪駆動) |
エンジン | 1.6L 直列3気筒ターボ | 2.4L 水平対向4気筒NA |
最高出力 | 224kW (304PS) | 173kW (235PS) |
最大トルク | 400N・m (40.8kgf・m) | 250N・m (25.5kgf・m) |
車両重量 (MT) | 1,280kg | 1,270kg |
得意なステージ | 全天候、タイトコーナー、加速区間 | ドライ路面、中高速コーナー |
この表からわかるように、車両重量はほぼ同じですが、GRヤリスはエンジン出力とトルクでGR86を大きく上回ります。このため、停止状態からの発進加速では4輪で路面を掴むGRヤリスが力強いダッシュを見せます。
サーキットやワインディングロードでは、クルマの性格がより明確になります。タイトなコーナーが連続するようなコースでは、GRヤリスの4WDシステムが強力なトラクションを発揮し、素早い立ち上がり加速を可能にします。一方、GR86は低重心な水平対向エンジンとFRレイアウトによる軽快な回頭性が持ち味で、流れるようなコーナリングを楽しめるでしょう。
どちらの車種を選ぶべきかは、どのようなドライビング体験を求めるかによります。全天候型の絶対的な速さと安定性を求めるならGRヤリス、FR特有の操る楽しさやピュアなスポーツカーフィールを味わいたいのであればGR86が、より良い選択となる可能性が高いです。
驚異の資産価値!今後のリセールはどうなる?

GRヤリスは、単に運転が楽しいスポーツカーというだけでなく、「資産」としての価値が非常に高いモデルとして知られています。一般的な自動車が時間と共に価値を下げていくのに対し、GRヤリスは驚異的なリセールバリュー(再販価値)を維持しており、この傾向は今後も続くと予想されます。
その最大の理由は、前述の通り、圧倒的な人気に対して生産台数が追いついていないという、極端な需要過多の状況にあります。新車での入手が困難であるため、すぐにでも乗りたいと考える多くのユーザーが中古車市場に流れ、結果として価格が吊り上がっているのです。
実際に、GRヤリスのリセールバリューは他の車種と比較しても突出しています。以下の表は、年式やグレードに応じた残価率(新車価格に対する買取価格の割合)の目安ですが、特に人気の「RZ “High performance”」や、競技ベースで希少な「RC」は高い水準を維持していることがわかります。
経過年数 | 代表的なグレード | 残価率の目安 |
---|---|---|
1年落ち | RZ “High performance” | 約90%~100%超 |
3年落ち | RZ / RZ “High performance” | 約80%~90% |
3年落ち | RC | 約85%~95% |
5年落ち | RZ First Edition | 約80%~85% |
5年落ち | RS | 約75%~80% |
このように、3年経過した車両であっても80%以上の価値を保つケースは、トヨタのランドクルーザーなど一部の車種を除いて極めて稀です。
今後の見通しですが、世界的な自動車の電動化シフトにより、GRヤリスのような高性能な純ガソリンエンジンを搭載したスポーツカーは、新たに開発される可能性が低くなっています。このため、将来的にはその希少価値がさらに高まり、クラシックカーのように価値が上昇していく可能性も十分に考えられます。もちろん、走行距離や車両の状態によって価格は変動しますが、GRヤリスが今後も高い資産価値を維持し続けることは間違いないでしょう。
「売れない」は嘘?揺るぎない人気の実情
時折、インターネット上などで「GRヤリスは特殊すぎて売れないのではないか」という声を目にすることがあります。その背景には、コンパクトカーとしては高額な価格設定や、3ドアで乗り心地も硬めという実用面での割り切りがあるため、「一部のマニアにしか受け入れられないのでは」という推測があるようです。
しかし、この「売れない」という噂は、市場の実態とは全く異なり、完全な誤りです。むしろ実情は正反対で、「人気がありすぎて、欲しくても買えない人が続出している」というのが正確な状況と言えます。
この揺るгиない人気を裏付けているのが、中古車市場で見られる価格の異常な高騰です。通常、中古車は新車よりも安く購入できるのが当たり前ですが、GRヤリス、特に人気のRZグレードでは、走行距離の少ない良質な車両が新車価格を上回る金額で取引される「価格逆転現象」が常態化しています。これは、需要が供給を大幅に上回っている何よりの証拠です。
実際に、中古車情報サイトのグーネットなどに掲載された条件の良い物件は、問い合わせが殺到し、数日のうちに売約済みとなるケースも珍しくありません。また、多くの買取専門店では高価買取の最重要車種としてリストアップされており、手放す際の価格、つまりリセールバリューが極めて高いことも、その人気を物語っています。
もちろん、ファミリーユースには向かず、誰もが快適に乗れるクルマではありません。しかし、「本物のスポーツ性能」を求めるドライバーにとって、GRヤリスは他のどの車種にも代えがたい唯一無二の魅力を持っています。
要するに、「売れない」のではなく、「市場に出回る台数が絶対的に不足しており、その希少な一台を多くの人が探し求めている」というのが、GRヤリスを取り巻く人気の実情なのです。
オジエエディションなど限定車の中古価格

GRヤリスの中古車価格高騰を最も象徴しているのが、特別仕様車や限定モデルの存在です。その中でも頂点に君臨するのが、WRCのレジェンドドライバーの名を冠した「セバスチャン・オジエ エディション」と「カッレ・ロバンペラ エディション」でしょう。
これらのモデルは、2024年にそれぞれ国内100台限定で抽選販売され、新車価格は845万円と非常に高額でした。しかし、その希少性と特別な仕様から、中古車市場では新車価格を大幅に上回るプレミア価格で取引されています。
市場に出てくること自体が非常に稀ですが、走行距離がほとんどない未使用車に近い個体であれば、1,000万円近い、あるいはそれを超える価格が付けられることもあります。これはもはや通常の中古車というよりも、美術品やコレクターズアイテムに近い価値を持っていると言えます。
なぜなら、これらの限定車には標準のRZ “High performance”にもない特別な機能が搭載されているからです。
- 専用の4WDコントロールモード
「OGIER Mode」や「KALLE Mode」といった、各ドライバーの走りを再現した専用の駆動モードが設定されています。 - 特別な内外装
専用デザインのカーボン製リアスポイラーや、ステアリングのステッチカラー、記念プレートなど、所有感を満たす特別な装備が随所に施されています。
同様に、2022年に500台限定で登場した「GRMNヤリス」も、中古市場では幻の存在です。こちらも新車価格(731.7万円~)を大きく超える1,000万円以上の価格で取引されることがあり、GRヤリスというクルマのポテンシャルの高さを証明しています。
このように、限定モデルの存在はGRヤリス全体のブランドイメージと価値をさらに押し上げています。これらのモデルが市場に与える影響も、標準グレードの中古車価格が高値で安定している要因の一つとなっているのです。
GRヤリスの中古が高騰する今、賢く買うには

- 今後の値落ちと中古相場の見通しを予測
- 中古の注意点と「安い」個体の見分け方
- カスタム済み中古車を選ぶ際のポイント
- 信頼できるトヨタ認定中古車の保証とは
- 他のスポーツカーとの比較と選ぶべき理由
今後の値落ちと中古相場の見通しを予測
GRヤリスの中古車購入を検討する上で、多くの方が「今後、価格は下がるのか?」という点を気にされていることでしょう。結論から言うと、この車種に関して、近い将来に大幅な値落ちが起きる可能性は極めて低いと予測されます。むしろ、中古車相場は当面の間、高値圏で安定して推移すると考えられます。
その背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。まず、GRヤリスという車種そのものが持つ、唯一無二の希少価値です。前述の通り、WRCのホモロゲーションモデルという特殊な出自を持つ純ガソリンエンジン・スポーツカーは、世界的な電動化の流れの中で今後新たに登場することは考えにくく、その存在自体が価値を持ち始めています。
また、新車価格の高騰も中古車相場を下支えしています。原材料費や輸送コストの上昇を背景に、自動車全体の価格が上昇傾向にあるため、中古車の基準となる新車価格が高止まりしているのです。いくら中古といえども、ベースとなる新車の価格が高ければ、それに比例して相場も高値を維持します。
もちろん、市場の動向によって価格が全く変動しないわけではありません。
例えば、今後フルモデルチェンジが行われ、現行モデルを大きく凌駕する新型が登場した場合には、一時的に市場の流通量が増え、相場に影響を与える可能性はあります。しかし、GRヤリスのような熱狂的なファンを持つモデルでは、旧型が「クラシック」として評価され、かえって価値が下がらないというケースも十分に考えられます。
したがって、「いつか安くなるだろう」と待ち続けるのは、得策ではないかもしれません。現状では、走行距離が極端に多い車両や、コンディションに何らかの問題を抱える個体を除き、大幅な価格下落は期待しにくいというのが、GRヤリスの中古車市場に対する最も現実的な見通しです。
中古の注意点と「安い」個体の見分け方

価格が高騰しているGRヤリスだからこそ、中古車を選ぶ際には一般的な車種以上に慎重な確認が求められます。特に、相場よりも明らかに「安い」価格が付けられた車両には、何らかの理由が隠されている可能性が高いため、細心の注意が必要です。購入後に後悔しないために、以下のポイントを必ずチェックしましょう。
まず最も重要なのが、修復歴の有無です。これは車の骨格部分を修理した経歴を指し、たとえ綺麗に直されていても、ボディ剛性の低下や将来的なトラブルのリスクを抱えています。特にGRヤリスのような高性能車では、走行性能に直接影響するため、修復歴のある車両は避けるのが賢明です。
次に、車両がどのように使われてきたかを推測することも大切です。GRヤリスはサーキット走行を楽しむオーナーも多いため、過酷な環境で使われていた可能性があります。以下の表は、サーキット走行歴を見抜くための一つの目安です。
チェック項目 | 確認するポイント |
---|---|
フロント部分 | バンパーやボンネットに、通常走行では考えにくいほどの細かい飛び石傷がないか。 |
タイヤハウス内 | タイヤが溶けて付着した黒いカス(タイヤカス)がべっとりと付着していないか。 |
ホイール | ブレーキダストの付着が異常に多い、または交換された形跡がないか。 |
下回り | コースアウトした際についた可能性のある、腹下の擦り傷や凹みがないか。 |
内装 | ロールケージや4点式シートベルトの取り付け跡、追加メーターの配線跡などがないか。 |
もちろん、これらの痕跡があるからといって一概に悪い車両とは限りませんが、消耗品の劣化が早く進んでいる可能性は考慮すべきです。
加えて、整備記録簿で定期的なメンテナンス、特にエンジンオイルの交換履歴がしっかりしているかを確認することは、エンジンのコンディションを把握する上で不可欠です。
安心して購入したいのであれば、トヨタの正規ディーラーが扱う「トヨタ認定中古車」を選ぶのも一つの手です。専門の検査員による厳しいチェックを通過した車両であり、1年間走行距離無制限の「ロングラン保証」が付帯するため、購入後の安心感が大きく異なります。価格だけで判断せず、車両の状態を総合的に見極めることが、良いGRヤリスと出会うための鍵となります。
カスタム済み中古車を選ぶ際のポイント
GRヤリスの中古車を探していると、ホイールやマフラー、エアロパーツなどが交換された「カスタム済み」の車両に出会うことがあります。これらの車両は、自分の好みに合えばノーマルの状態からパーツを揃えるよりもお得になる可能性があり、魅力的な選択肢の一つです。しかし、その一方で、いくつか注意すべきポイントも存在します。
カスタム済み車両を選ぶ際に最も重要なのは、「どのような目的で、どのような品質のパーツが使われているか」を見極めることです。
例えば、BBS製の鍛造アルミホイールや、有名ブランドの車高調、信頼性の高いメーカーのエアロパーツなどが装着されている場合、前オーナーが車に対して深い知識と愛情を注いでいた可能性が高いと考えられます。このような質の高いカスタムが施された車両は、付加価値として評価できます。
一方で、注意が必要なのは、過度なエンジンチューニングが施された車両です。
ECU(エンジン・コンピュータ・ユニット)の書き換えやタービンの交換など、大幅な出力アップを図ったカスタムは、エンジン本体や駆動系に大きな負荷をかけ、車両の寿命を縮めている可能性があります。特に、そのチューニングをどこの店舗で行ったのか、記録がしっかり残っているかを確認することが重要です。
また、車検に対応していないパーツ(極端に音量が大きいマフラーや、保安基準に適合しない灯火類など)が装着されている場合、購入後に純正部品に戻したり、車検対応品に交換したりする必要があり、余計な費用と手間がかかります。
カスタム済みのGRヤリスを検討する際は、以下の点を確認すると良いでしょう。
- 交換されているパーツのブランドと品質
- カスタムの目的(ドレスアップか、本格的な走行性能向上か)
- 車検への適合性
- 可能であれば、取り外した純正パーツが付属するかどうか
カスタムは、その車の個性であり魅力でもありますが、同時にリスクを伴う可能性も秘めています。もし自分自身で判断が難しい場合は、スポーツカーのチューニングに詳しい専門ショップなどに車両を持ち込み、購入前に点検を依頼することをおすすめします。
信頼できるトヨタ認定中古車の保証とは

高騰が続くGRヤリスの中古車を、少しでも安心して手に入れたいと考えるのは当然のことです。特に高性能なスポーツカーは、一般的な乗用車に比べて各部品への負荷が大きく、見えない部分にトラブルの種を抱えている可能性も否定できません。そのような不安を解消するための最も有効な選択肢が、「トヨタ認定中古車」です。
トヨタ認定中古車とは、トヨタの正規ディーラーが定める厳しい基準をクリアした、高品質な中古車のみを取り扱うブランドです。最大の魅力は、手厚い保証とサービスにあり、購入後のカーライフに大きな安心感をもたらしてくれます。その中心となるのが、「ロングラン保証」です。
この保証は、メーカーや年式を問わず、購入したすべての中古車に1年間、走行距離無制限で付帯する無償の保証制度です。万が一、車両に不具合が発生した場合でも、全国約5,000ヶ所のトヨタディーラーで保証修理を受けられるため、旅先での急なトラブルにも対応できます。保証の対象範囲が広いのも特徴で、エンジンやブレーキといった主要機構はもちろん、エアコンやカーナビ、パワーウィンドウといった電装品までカバーします。
さらに、このトヨタ認定中古車プログラムには、以下のような安心を高めるサービスが含まれています。
サービス内容 | 特徴 |
---|---|
ロングラン保証 | 1年間・走行距離無制限の無償保証。エンジンからナビまで約60項目、5,000部品が対象。 |
ロングラン保証α(有償) | 無償保証に加えて、さらに1年または2年の保証延長が可能(最長3年)。 |
車両検査証明書 | プロの検査員が車両の状態を厳しくチェックし、修復歴や傷の状態を詳細に公開。 |
まるごとクリーニング | シートを外してフロアまで、見えない部分の汚れやニオイも徹底的に洗浄・消臭。 |
確かに、一般的な中古車販売店で購入するのに比べて、車両本体価格はやや高めに設定されているかもしれません。しかし、GRヤリスのような特別な車両だからこそ、購入後の予期せぬ出費やトラブルのリスクを最小限に抑えることが重要です。そのための「安心料」と考えれば、トヨタ認定中古車は非常に価値のある選択と言えるでしょう。
他のスポーツカーとの比較と選ぶべき理由

GRヤリスの中古車が高騰している状況を見て、他の国産スポーツカーに目を向ける方もいるでしょう。市場にはホンダ シビックタイプRやスバル WRX S4など、それぞれに魅力的なライバルが存在します。これらの車種と比較することで、GRヤリスを選ぶべき本質的な理由がより明確になります。
GRヤリスがこれらのライバルと一線を画す最大の理由は、その成り立ちにあります。シビックタイプRやWRX S4が市販車をベースに高性能化させたモデルであるのに対し、GRヤリスは「ラリーで勝つ」という目的のために、プラットフォームから専用設計されたホモロゲーションモデルです。この「競技車両が先か、市販車が先か」という違いが、クルマの性格を決定づけています。
車種 | GRヤリス (RZ) | ホンダ シビックタイプR (FL5) | スバル WRX S4 (VBH) |
---|---|---|---|
コンセプト | WRCホモロゲーションモデル | FF最速を追求したサーキットマシン | AWDスポーツセダン (GT性能重視) |
駆動方式 | スポーツ4WD | FF (前輪駆動) | シンメトリカルAWD |
エンジン | 1.6L 直列3気筒ターボ | 2.0L 直列4気筒VTECターボ | 2.4L 水平対向4気筒ターボ |
ボディタイプ | 3ドア ハッチバック | 5ドア ハッチバック | 4ドア セダン |
主な魅力 | 全天候型の圧倒的なトラクション性能 | 鋭いハンドリングと高回転の伸び | 高速安定性と日常域での快適性 |
この比較からわかるように、それぞれのクルマには明確な得意分野があります。
- ホンダ シビックタイプR
ドライ路面のサーキットで、FF(前輪駆動)の限界を突き詰めた鋭いコーナリング性能を味わいたいドライバーにとって、最高の選択肢です。 - スバル WRX S4
4ドアセダンの実用性を持ちながら、AWDによる安定した走りで長距離の高速ツーリングも快適にこなします。日常使いとスポーツ走行を高いレベルで両立させたい場合に魅力的です。
これに対して、あなたがGRヤリスを選ぶべき理由は、以下の点に集約されます。
- 「本物」であることへのこだわり
WRCというモータースポーツの頂点を目指して生まれた、そのバックボーンに価値を感じる。 - 天候や路面を選ばない絶対的な走行性能
雨や雪道でも不安なく、圧倒的な安定感とトラクションで駆け抜けることができる、懐の深いパフォーマンスを求める。 - 唯一無二のパッケージング
コンパクトなボディに、パワフルなターボエンジンと緻密な4WDシステムを凝縮した、他に類を見ない乗り味に惹かれる。
結局のところ、どのクルマが優れているかという問いに絶対的な答えはありません。しかし、ラリーの血統を受け継ぐ荒々しさと、どんな道でも乗りこなせる万能性を兼ね備えた刺激的な一台を求めるのであれば、高騰してでも手に入れる価値がGRヤリスにはあると言えるでしょう。
GRヤリスの中古価格が高騰している理由を総括
GRヤリスの中古市場は、WRC由来の圧倒的な性能と希少性から高騰しています。受注停止により供給が需要に追いついていないのが主な要因です。資産価値が極めて高く、中古車を選ぶ際は修復歴や車両状態の確認が重要で、保証の付いたディーラー認定車も賢い選択肢となります。
記事のポイントをまとめます。
- GRヤリスは生産中止ではなく、一時的な受注停止である
- 受注停止の要因は半導体不足や人気による大量のバックオーダー
- GRカローラなども同じ専用ラインで生産され、供給台数が限られる
- 開発思想は「モータースポーツ用の車両を市販化する」という逆転の発想
- WRCで勝利することを目的に専用設計されたホモロゲーションモデル
- 1.6Lターボエンジンと4WDシステム「GR-FOUR」が性能の核を成す
- 直線加速や悪天候下の安定性ではGR86より優位に立つ
- 中古車価格が新車価格を超えるほどの高いリセールバリューを誇る
- 3年落ちでも残価率80%以上を維持する驚異的な資産価値を持つ
- 将来、純ガソリンスポーツカーとして希少価値がさらに高まる可能性がある
- 「売れない」という噂は誤りで、実際は需要に供給が追いつかない人気車種
- オジエエディションなど限定車は1,000万円超のプレミア価格で取引される
- 安価な中古車には修復歴やサーキットでの過酷な使用歴の可能性がある
- トヨタ認定中古車は手厚い「ロングラン保証」により安心して購入できる
- 他のスポーツカーと比較し、全天候型の絶対性能を求めるなら選ぶ価値がある