
日産オーラは、上質な内外装と先進的な走りで注目を集める一方、購入を真剣に考え始めると様々な疑問や不安が浮かび上がります。インターネットで情報を集める中で、日産オーラの一部の評判が悪いという意見を目にすることもあるでしょう。
特に、乗り心地が悪い、あるいはエンジン音がうるさいといった評価や、e-POWERがダメな理由に関する指摘は気になるポイントです。高価な買い物だからこそ、買ってから残念な思いをしたり後悔したりするのは絶対に避けたいですし、もしかしたら壊れやすいのではないかという不安もよぎります。
また、具体的な検討段階に入ると、そもそもノートとオーラ、買うならどっちが自分に合っているのか、雪道での4WDの評判はどうなのか、走りを追求したオーラNISMOの欠点はないのか、といった迷いも生じます。
女性でも扱いやすいサイズ感なのか、実際の売れ行きと市場での立ち位置、そして少しでも費用を抑えたい場合の中古車の価格相場まで、知っておきたい情報は山積みです。
この記事では、そうした一つ一つの懸念点に客観的なデータと多角的な視点から光を当て、あなたが納得できる一台を見つけるための判断材料を詳しく解説していきます。
- 悪い評判の具体的な理由とその技術的背景
- 欠点だけでなく長所も含めた総合的な評価
- ノートやNISMOとの明確な違いと選び方
- 後悔しないための購入前のチェックポイント
日産オーラの評判が悪いとされる理由を徹底解剖

- ノートオーラの乗り心地が悪いと言われる真相
- エンジン音がうるさい?e-POWERの静粛性
- e-POWERがダメな理由と高速燃費の課題
- 日産オーラは壊れやすい?故障リスクを分析
- 購入者が語る残念な点と後悔しないための注意点
ノートオーラの乗り心地が悪いと言われる真相
日産ノートオーラの乗り心地が「悪い」、あるいは「硬い」と評される背景には、標準装備されている17インチの大径タイヤと、走行性能を重視したサスペンション設定が大きく影響しています。これは、上質な乗り味を目指しつつも、スポーティで安定した走りを両立させるための設計思想の表れと言えるでしょう。
その理由は主に2つ挙げられます。
一つ目は、タイヤのサイズと構造です。オーラに標準で装着される「205/50R17」というサイズのタイヤは、デザイン性に優れる一方で、タイヤ側面のゴムの厚み(扁平率)が比較的薄くなっています。これにより路面からの衝撃を吸収するクッション性が低減し、細かな凹凸や段差を乗り越える際の振動が乗員に伝わりやすくなるのです。
二つ目の理由は、車両の足回り(サスペンション)のセッティングです。オーラは日産ノートのプレミアムモデルとして、高速道路などでの走行安定性や、カーブを曲がる際のキビキビとした応答性を重視しています。このため、サスペンションはやや硬めに設定されており、車体の不要な揺れを抑える設計になっています。
この特性が、市街地のような低速走行時においては、路面からの突き上げ感として感じられることがあります。特に、よりソフトな乗り心地の軽自動車やコンパクトカーから乗り換えた場合、その違いを顕著に感じるかもしれません。
乗り心地の改善策と駆動方式による違い
乗り心地の感じ方は、選択する駆動方式によっても評価が分かれる傾向があります。後輪にも駆動用モーターを搭載する4WDモデルは、2WDモデルと比較して車両重量が増加し、リアサスペンションの構造も異なります。
このため、一般的に4WDモデルの方が路面への追従性が高く、しっとりとした落ち着きのある乗り心地であるというレビューが多く見られます。
もし標準モデルの乗り心地が硬いと感じる場合、いくつかの対策を検討することが可能です。
代表的な方法が、タイヤとホイールを標準の17インチから16インチなどへサイズダウン(インチダウン)することです。これによりタイヤの扁平率を高め、空気の層を厚くすることでクッション性を向上させ、乗り心地をよりマイルドにできます。
項目 | 標準装備 (17インチ) | インチダウン例 (16インチ) |
---|---|---|
タイヤサイズ例 | 205/50R17 | 195/60R16 |
乗り心地の傾向 | 硬め、ダイレクト | マイルド、快適性向上 |
走行性能の傾向 | シャープ、スポーティ | 穏やかになる |
メリット | デザイン性、高速安定性 | 快適性、タイヤ価格が安い傾向 |
デメリット | 路面の凹凸を拾いやすい | デザインの印象変化 |
このように、ノートオーラの乗り心地が「硬い」という評価は、その走行性能と表裏一体の関係にあります。購入を検討する際には、デザインやスペックだけでなく、必ずご自身の運転スタイルや主に走行する道路環境を想定して試乗することが不可欠です。
その上で、必要に応じてタイヤ交換などの対策を視野に入れることで、納得のいく一台を選ぶことができるでしょう。
エンジン音がうるさい?e-POWERの静粛性

日産オーラが時として「うるさい」と評価されるのは、その静粛性が極めて高い瞬間と、エンジン音が明確に聞こえる瞬間のギャップが大きいことに起因します。e-POWERはモーターで走行するため基本的には静かですが、発電のためにエンジンが作動した際の音や振動が、かえって際立ってしまうのです。
この現象の根底には、e-POWERが採用する「シリーズ式ハイブリッド」というシステムの特性があります。このシステムでは、エンジンはタイヤを直接駆動するためではなく、もっぱら発電機の役割を担います。そのため、走行速度とエンジンの回転数が必ずしも連動しません。
例えば、バッテリーの充電量が減った時や、急加速で大きな電力が必要になった時などに、ドライバーの意図とは別にエンジンが突然始動し、高い回転数で唸りを上げることがあります。
モーターだけで静かに走行している状態から、予期せずエンジン音が車内に響き渡るため、多くのユーザーが音の大きさそのものよりも、その唐突さに違和感や不快感を覚えるのです。
また、オーラに搭載されている「HR12DE」エンジンは1.2リッターの3気筒ユニットであり、構造上、4気筒エンジンと比較して特有の振動やノイズが発生しやすいという側面も、音質に対する評価が分かれる一因となっています。
音が特に気になる状況と対策
具体的にエンジン音が「うるさい」と感じやすいのは、下記のようなシチュエーションです。
- 深夜や早朝の住宅街での発進時
- 駐車中や信号待ちでエアコンを強く作動させている時
- 冬場のエンジンが冷えている状態での暖機運転時
これらの状況は、周囲が静かであったり、停車中であったりするため、発電の作動音がより一層目立ちます。日産の開発陣もこの点は認識しており、オーラは標準のノートと比較して車体の遮音材を増やすなどの静粛性向上策が施されています。しかし、システムの根本的な特性を変えることはできないため、音を完全に消し去ることは困難です。
もしエンジン音が気になる場合の対策としては、走行モードを工夫する方法があります。オーラには、強制的にエンジンを作動させて充電を行う「チャージモード」が備わっています。これを利用して、幹線道路など騒音が気にならない場所を走行中にあらかじめバッテリーを充電しておけば、静かに走りたい住宅街などでの意図しないエンジン始動を抑制することが可能です。
結論として、オーラの静粛性は非常に高いレベルにありますが、e-POWER特有のエンジン作動音という側面も持ち合わせています。この音を許容できるかどうかは、個人の感覚に大きく左右される部分です。
購入を検討される際は、ぜひ実際の試乗を通じて、加速時や停車時など様々なシーンでエンジンがどのように作動し、どの程度の音がするのかをご自身の耳で確かめてみることを強く推奨します。
e-POWERがダメな理由と高速燃費の課題

e-POWERシステムが一部で「ダメだ」と評される最大の要因は、高速道路を一定速度で巡航するような走行シーンにおいて、燃費が大きく悪化する点にあります。市街地走行ではそのメリットを最大限に発揮しますが、走行環境によっては構造的な弱点が課題として浮かび上がります。
なぜなら、e-POWERはエンジンを発電に特化させたシリーズ式ハイブリッドであり、常にモーターでタイヤを駆動する仕組みだからです。高速走行のように、継続して大きなエネルギーを必要とする状況では、バッテリーの電力を補うためにエンジンがほぼ止まることなく高回転で稼働し続けることになります。
これは、エネルギー効率の観点から見ると、エンジンで直接タイヤを駆動するよりも多くのロスが発生します。つまり、エンジンが生み出したエネルギーを、一度電気に変換し、それを再びモーターで運動エネルギーに変えるという二度手間が発生しているのです。
このため、特に時速100kmを超えるような速度域での巡航では、燃費の低下が顕著になります。ユーザーレビューや自動車専門メディアの燃費テストなどでは、市街地で20km/Lを超える数値を記録する一方で、高速走行時には10km/L台前半まで燃費が落ち込むという報告も少なくありません。
また、追い越し加速などで瞬間的に大きなパワーが必要な場面でも、バッテリー残量が少ないと発電が追い付かず、ドライバーが期待するほどの加速感が得られないという不満の声も聞かれます。
他のハイブリッドシステムとの比較
この課題を理解するために、他のハイブリッドシステムと比較すると分かりやすいでしょう。例えば、トヨタのハイブリッドシステム(THS II)は、エンジン駆動とモーター駆動を走行状況に応じて最適に使い分ける「スプリット式」を採用しています。
走行シーン | e-POWER (シリーズ式) の特徴 | トヨタ式ハイブリッド (スプリット式) の特徴 |
---|---|---|
市街地 (発進・停止が多い) | 得意 (モーター駆動の滑らかさとレスポンスが良い) | 得意 (モーターとエンジンを効率よく併用) |
郊外路 (中速での一定走行) | 得意 (エンジンの効率的な発電が可能) | 非常に得意 (EV走行とエンジン走行を最適化) |
高速道路 (高負荷での巡航) | 不得意 (エンジンが常に稼働し燃費が悪化) | 得意 (エンジンで直接駆動するため効率が良い) |
このように、e-POWERはストップアンドゴーの多い日本の市街地走行に最適化されたシステムである一方、高速道路での長距離移動がメインとなる使い方では、燃費性能の面で不利になることは否めません。モータードライブがもたらす静かで滑らかな走行フィールは大きな魅力ですが、このトレードオフを理解しておく必要があります。
購入を判断する上では、ご自身の主な車の使い方、特に高速道路の利用頻度を考慮し、e-POWERの特性がご自身のライフスタイルに本当に合っているのかを慎重に見極めることが後悔しないための鍵となるでしょう。
日産オーラは壊れやすい?故障リスクを分析

日産オーラが特別に「壊れやすい」と一概に断定することはできません。しかし、先進的で複雑なe-POWERシステムを採用しているため、従来のガソリンエンジン車とは異なる、特有の故障リスクが存在することは理解しておく必要があります。特に注意すべきは、モーター駆動の根幹をなす電装系コンポーネントです。
オーラの耐久性を考える上で、まずe-POWERシステムの構造を把握することが重要です。このシステムはエンジンを発電専用とし、駆動は100%モーターで行います。そのため、トランスミッションのような複雑な変速機構がなく、関連するトラブルのリスクは低いと言えます。
一方で、発電機、高電圧バッテリー、そして直流電力を交流電力に変換してモーターを制御する「インバーター」といった電装系部品への依存度が非常に高くなります。これらの部品は高度な電子制御によって作動しており、万が一不具合が発生した場合は修理費用が高額になる可能性があります。
また、e-POWER特有の使われ方によるエンジンへの負荷も考慮すべき点です。発電に徹するエンジンは、効率の良い回転数を維持しようと頻繁に始動・停止を繰り返し、時には高回転で稼働し続けます。このような運転環境はエンジンオイルの劣化を早める傾向があり、メーカーが指定する交換時期を厳守するなど、適切なメンテナンスが車両の寿命を左右します。
過去のリコール情報から見る具体的なリスク
実際に、日産自動車はノートおよびノートオーラに対して、e-POWERシステムに関連する複数のリコールを国土交通省に届け出ています。これはメーカーが問題を認識し、市場のクルマに対して責任を持って対策を行っている証拠でもありますが、購入を検討する上で知っておくべき客観的な事実です。
例えば、過去には発電用エンジン内部の部品(コネクティングロッド)の製造不備により、最悪の場合エンジンが停止し走行不能に至るおそれがあるとしてリコールが実施されました(出典:国土交通省 自動車のリコール・不具合情報)。
また、エンジンルーム内の配線(ハーネス)の取り回しに不備があり、ショートすることでエンジンが始動しなくなる可能性についても改善対策が行われています。
これらの情報を踏まえると、オーラの信頼性は、メーカー保証や定期的なディーラーでの点検がいかに重要であるかを示しています。
注意すべき部品 | 考えられる症状 | 保証期間外の修理費用目安 | 対策・注意点 |
---|---|---|---|
インバーター | 走行不能、警告灯の点灯 | 数十万円~ | 定期点検、異常を感じたら即ディーラーへ相談 |
駆動用バッテリー | 燃費の悪化、航続可能距離の減少 | 数十万円~ | 極端な高温・低温環境を避ける、定期的な診断 |
発電用エンジン | 始動不良、異音、振動 | 数万円~数十万円以上 | エンジンオイルの定期的な交換・管理を徹底 |
電子制御システム | 警告灯の誤点灯、運転支援機能の不具合 | 診断・ソフトウェア更新で対応可能な場合も | ディーラーで最新のソフトウェア情報を確認 |
オーラを長く安心して乗り続けるためには、これらのe-POWER特有のリスクを正しく理解し、定期的なメンテナンスを怠らないことが何よりも大切です。中古車を含めて購入を検討する際は、メーカー保証の継承手続きが可能か、また、より長期間の安心を得るために延長保証プランへの加入が可能かなどを事前に確認することをおすすめします。
購入者が語る残念な点と後悔しないための注意点

日産オーラのオーナーが実際に指摘する「残念な点」は、主に価格設定、日常的な使い勝手、そして「プレミアムコンパクト」という言葉から抱く期待値とのギャップに集約される傾向があります。これらのポイントを事前に把握し、ご自身の価値観と照らし合わせることが、購入後の後悔を避けるための重要なステップです。
まず最も多く聞かれるのが、車両価格の割高感です。オーラは上質な内外装や充実した装備を魅力とする一方、ベースグレードでも約278万円からという価格設定になっています。人気のBOSEサウンドシステムやプロパイロットといったオプションを追加すると、支払総額は容易に300万円を超えます。
この価格帯になると、より広い室内空間を持つSUVや、一つ上のクラスの車種も視野に入ってくるため、「コンパクトカーとしては高価だった」と感じるユーザーが少なくありません。
次に、実用面での課題として収納スペースの不足が挙げられます。デザイン性を優先したインテリアは質感が高いものの、グローブボックスやセンターコンソールといった収納の容量は最小限です。
例えば、グローブボックスは車検証入れでほとんど埋まってしまう、といった具体的な不満の声も見られます。日常的に多くの小物を車内に整理して置きたい方にとっては、実用性に欠けると感じる可能性があります。
そして、期待値とのギャップも後悔につながる一因です。
「プレミアム」や「高級車」というキーワードから、絶対的な静粛性やしなやかな乗り心地をイメージして購入したものの、前述したe-POWER特有のエンジン音や、17インチタイヤに起因する路面からの突き上げ感が気になり、「期待していたレベルではなかった」と感じてしまうケースです。
後悔しないための購入前チェックリスト
これらの「残念な点」は、裏を返せばオーラが持つ個性とも言えます。重要なのは、その個性がご自身の使い方や求めるものに合致しているかを見極めることです。そのために、以下のチェックリストを参考に、販売店での確認や試乗に臨むことをお勧めします。
チェック項目 | 確認すべきポイント | 後悔を避けるためのアクション |
---|---|---|
価格と価値のバランス | オプションを含めた支払総額はいくらか。その価格で得られる装備(BOSE、内装の質感など)に満足できるか。 | 同価格帯の他車種(SUVなど)と比較検討する。 |
乗り心地と静粛性 | 市街地の荒れた路面や段差を走行した際の突き上げ感は許容範囲か。エアコン使用時や加速時のエンジン音は気にならないか。 | 可能な限り長時間の試乗を行い、様々な走行パターンを試す。 |
収納スペース | 普段車内に置いている物(ティッシュ箱、飲み物、小物など)が想定通りに収納できるか。 | 展示車や試乗車で実際に収納スペースのサイズ感を確認する。 |
走行シーンとの相性 | 高速道路の利用頻度は高いか。e-POWERの燃費特性は自身の使い方に合っているか。 | 自身の主なドライブシーンをディーラーの担当者に伝え、アドバイスを求める。 |
このように、オーラは独自の魅力を持つ一方で、購入前に確認すべき注意点も明確です。カタログのスペックやデザインだけで判断するのではなく、試乗を通じて実際のクルマの動きや使い勝手を肌で感じることが、何よりも後悔しないための最善策と言えるでしょう。
ご自身のライフスタイルとクルマに求める優先順位を整理した上で、オーラという選択が最適かどうかをじっくりと見極めてください。
日産オーラの悪い評判から考える後悔しない選び方

- ノートとオーラ、買うならどっちが最適解か
- 雪道は?日産オーラ4WDの評判をチェック
- オーラNISMOの欠点と知っておくべきこと
- 女性には不向き?運転しやすさと実用性を検証
- 好調な売れ行きから見る市場での本当の評価
- 中古で買う際の注意点と価格の目安
ノートとオーラ、買うならどっちが最適解か
日産ノートとノートオーラのどちらを選ぶべきか、その最適解はクルマに求める価値観によって明確に分かれます。結論から言えば、優れたコストパフォーマンスと日常での実用性を重視するなら「ノート」、内外装の質感や走行性能にさらなる上質さと所有する満足感を求めるなら「オーラ」が最適な選択です。
両車はプラットフォームやe-POWERシステムといった基本骨格を共有しながらも、目指す方向性が異なる兄弟車と言えるでしょう。
その選択を左右する理由は、主に4つの違いにあります。
第一に、最も分かりやすいのが価格設定です。オーラはノートの上級モデルという位置づけのため、同等のグレードで比較した場合、数十万円高価になります。この価格差が、後述する内外装の仕立てや走行性能の向上に充てられており、予算を最優先するならばノートの合理性が際立ちます。
第二に、内外装の質感が大きく異なります。オーラはエクステリアに全幅を40mm拡大した専用の3ナンバーボディを採用し、ワイドで安定感のあるスタイリングを実現しています。
インテリアにおいても、木目調パネルやツイード調ファブリック、特徴的なデザインのシートなどを採用し、プレミアムコンパクトカーにふさわしい上質な空間を演出しています。一方、ノートはシンプルで機能性を重視した、クリーンなデザインが特徴です。
第三の違いは、動力性能です。オーラに搭載されるフロントモーターは、ノートに対して最高出力で14kW、最大トルクで20N・m向上しており、より力強く余裕のある加速性能を発揮します。
そして第四に、標準装備の充実度もオーラが優位です。オーラではLEDヘッドランプや17インチのアルミホイールが標準で装備されるなど、ノートではオプション扱いとなる装備が価格に含まれている点も魅力です。
主要スペックで見るノートとオーラの違い
両車のキャラクターの違いを、具体的なスペックで比較してみましょう。
比較項目 | ノート (Xグレード / 2WD) | オーラ (Gグレード / 2WD) |
---|---|---|
車両本体価格 (2025年9月時点) | 2,299,000円~ | 2,779,700円~ |
ボディサイズ (全長×全幅) | 4045mm × 1695mm (5ナンバー) | 4045mm × 1735mm (3ナンバー) |
フロントモーター最高出力 | 85kW (116PS) | 100kW (136PS) |
フロントモーター最大トルク | 280N・m | 300N・m |
燃費 (WLTCモード) | 28.4km/L | 27.2km/L |
標準タイヤサイズ | 16インチ (スチール) | 17インチ (アルミ) |
このように、ノートとオーラのどちらを選ぶべきかは、ご自身のライフスタイルとクルマに何を求めるかによって決まります。
日々の移動手段として燃費や経済性を最優先するならばノートが、少し予算を上乗せしてでも、毎日のドライブに彩りや運転の楽しさ、そして所有する喜びを加えたいと考えるならばオーラが、それぞれにとっての最適解となるでしょう。
雪道は?日産オーラ4WDの評判をチェック

日産オーラの4WDモデルは、雪道や凍結路といった滑りやすい路面において、極めて高い走行安定性を発揮すると多くのユーザーや専門家から高く評価されています。
その秘密は、後輪を専用の高出力モーターで緻密に制御する、日産独自の電動駆動4輪制御技術にあります。これは従来のコンパクトカーに採用されてきた生活四駆とは一線を画す、本格的なシステムです。
オーラの4WDシステムが雪道に強い理由は、その構造にあります。まず、後輪には最高出力50kW(68PS)を発生する強力な独立モーターが搭載されています。
これは、滑った時にだけ補助的に後輪を駆動させる簡易的なシステムとは異なり、あらゆる走行シーンで積極的に後輪を駆動させることが可能です。これにより、滑りやすい雪道での発進時には、前輪のスリップを検知した瞬間に後輪が力強く路面を蹴り出し、驚くほどスムーズで安定したスタートを実現します。
さらに、その真価はコーナリング時にも発揮されます。カーブを曲がる際には、ステアリングの操作量や車速に応じて前後のモーターのトルクを最適に配分します。これにより、雪で覆われた交差点やカーブにおいても、車両がドライバーの意図した通りに曲がりやすく、運転中の不安感を大幅に軽減してくれます。
この緻密な駆動力制御は、発進時から高速走行時まで、全ての速度域でシームレスに作動し、常に安定した車両挙動に貢献します。
4WDモデルのメリットとデメリット
実際に降雪地域に住むオーナーからは、「冬道の運転が劇的に楽になった」「凍結した坂道でも安心して登れる」といった、その性能を絶賛するクチコミが数多く寄せられています。FF(前輪駆動)モデルではタイヤが空転してしまうような厳しい状況でも、4WDモデルは難なくクリアできる実力を持っています。
しかし、その優れた性能と引き換えに、いくつかのデメリットも存在します。4WDモデルを選択する際には、これらの点も十分に考慮する必要があります。
項目 | オーラ 2WD (Gグレード) | オーラ 4WD (G FOURグレード) |
---|---|---|
車両本体価格 (2025年9月時点) | 2,779,700円~ | 3,037,100円~ (+257,400円) |
燃費 (WLTCモード) | 27.2km/L | 22.7km/L |
車両重量 | 1360kg | 1410kg (+50kg) |
ラゲッジスペース | 床下収納あり | リアモーター搭載のため床下収納が狭い |
オーラの4WDシステムは、雪道での安全性を格段に向上させる優れた技術です。降雪地域での使用が前提の方や、ウインタースポーツなどで冬場のドライブ機会が多い方にとっては、価格や燃費のデメリットを補って余りある大きな安心感をもたらしてくれるでしょう。
ご自身の使用環境と予算を照らし合わせ、その必要性を慎重に見極めることが、賢明な選択につながります。
オーラNISMOの欠点と知っておくべきこと

オーラNISMOは、日産のモータースポーツ部門であるNISMOが手掛けた、走行性能を徹底的に磨き上げた特別なモデルです。しかし、その魅力的な走りと引き換えに、日常的な快適性や経済性の面で明確な欠点も存在します。このクルマは、運転の楽しさを何よりも優先するドライバーに向けた、割り切りの必要な選択肢と言えるでしょう。
NISMOモデルの最大の欠点は、その硬質な乗り心地です。標準のオーラとは一線を画す専用チューニングのサスペンションに加え、ボディ剛性を高めるための補強が施されています。これにより、コーナリング性能は飛躍的に向上していますが、その代償として路面の凹凸を非常にダイレクトに拾います。
特に市街地での低速走行時には、マンホールの蓋や路面の継ぎ目など、わずかな段差でも強い突き上げ感を伴い、同乗者から不満の声が上がる可能性も考慮しなければなりません。
また、高額な価格設定も無視できないポイントです。車両本体価格は約298万円からと、コンパクトカーのカテゴリーではトップクラスに高価です。標準のオーラと比較しても価格差は大きく、この予算であれば他のメーカーのスポーツハッチなども十分に検討可能なため、コストパフォーマンスを重視するユーザーには不向きです。
さらに、e-POWERシステムが持つ構造的な課題も、NISMOであっても同様に抱えています。特に高速道路での巡航時には燃費が悪化する傾向があり、スポーツ走行のような高負荷が連続する場面では、バッテリーの電力供給がエンジンの発電能力を上回り、一時的にパフォーマンスが制限される可能性も指摘されています。
標準オーラとのトレードオフ
オーラNISMOは、走りの性能を高めるために、快適性や実用性の一部をトレードオフの関係で諦めている部分があります。
項目 | 標準オーラ | オーラNISMO |
---|---|---|
乗り心地 | やや硬めだが快適性を両立 | 硬質でスポーティ。快適性は低い |
走行モード | ECO / NORMAL / SPORT | ECO / NORMAL / NISMOモード |
エクステリア | 上質で洗練されたデザイン | 専用エアロパーツでアグレッシブなデザイン |
シート | グレードによりツイード調や本革 | ホールド性の高い専用スポーツシート |
主なターゲット | 上質さを求める幅広いユーザー | 走りの楽しさを追求するユーザー |
オーラNISMOは、「e-POWERで心躍る走りを提供する」という日産の挑戦を具現化した、非常に個性的で運転が楽しいクルマです。しかし、その魅力は日常の利便性や快適性とは別の次元にあります。
このクルマの購入を検討する際は、カタログスペックだけではなく、必ず試乗を通じてそのスパルタンな乗り味を体感し、ご自身の求めるカーライフと本当に合致するのかを慎重に判断することが、後悔しないための絶対条件となるでしょう。
女性には不向き?運転しやすさと実用性を検証

日産オーラは、その先進的な安全装備と運転のしやすさから、女性ドライバーにも十分におすすめできるクルマです。しかし、「不向き」と感じられる可能性があるとすれば、それは5ナンバー枠を超える車幅と、デザイン性を優先した結果として限られた収納スペースに起因します。ご自身のライフスタイルに合うかどうかを事前に見極めることが大切です。
オーラが運転しやすいと感じられる理由は複数あります。まず、モーター駆動によるe-POWERは、アクセル操作に対して非常に滑らかで静かに発進・加速します。
これにより、加減速の多い市街地での運転ストレスが大幅に軽減されます。また、アクセルペダルの操作だけで速度調整がしやすい「e-Pedal Step」は、ペダルの踏み替え頻度を減らし、運転疲労の軽減に貢献します。
加えて、充実した運転支援システムも大きな魅力です。クルマを真上から見下ろすような映像で周囲の状況を確認できる「インテリジェント アラウンドビューモニター」は、駐車や狭い道でのすれ違いが苦手な方にとって心強い味方となります。
その安全性は公的機関にも認められており、オーラを含むノートシリーズは、自動車アセスメント(JNCAP)2021において最高評価である「ファイブスター賞」を獲得しています(出典:(独)自動車事故対策機構 NASVA)。
一方で、注意すべき点もあります。オーラの全幅は1735mmあり、これは日本の道路事情で取り回しが良いとされる5ナンバーサイズ(1700mm未満)を超えています。
そのため、細い路地での対向車とのすれ違いや、一部の機械式駐車場では、従来コンパクトカーに乗っていた方は少し大きく感じてしまうかもしれません。また、デザイン性を重視した内装は、収納スペースの面で実用性が犠牲になっている部分も見受けられます。
女性ドライバー視点でのメリット・デメリット
オーラの特性を女性ドライバーの視点で整理すると、以下のようになります。
項目 | 女性ドライバーにとっての評価 | 具体的なポイント |
---|---|---|
運転のしやすさ | ◎:非常に良い | 滑らかな加速、ペダル操作の軽減、良好な視界 |
安全性能 | ◎:非常に良い | アラウンドビューモニター、JNCAPファイブスター獲得 |
デザイン | ○:良い | 上質で洗練された内外装、豊富なカラーバリエーション |
ボディサイズ | △:注意が必要 | 3ナンバーサイズの車幅(1735mm) |
収納スペース | △:注意が必要 | グローブボックスやドアポケットなどが小さめ |
結論として、オーラは高い安全性と快適な運転フィールを両立しており、多くの女性ドライバーにとって満足度の高い選択肢となり得ます。
ただし、購入前には必ず試乗を行い、特にご自身がよく利用する道路での車幅感覚や、普段持ち歩く手荷物がきちんと収まるかといった実用面をしっかりと確認することが、後悔しないクルマ選びの鍵となるでしょう。
好調な売れ行きから見る市場での本当の評価

日産オーラの好調な販売実績は、「コンパクトカーであっても、価格に見合う付加価値があれば積極的に選びたい」という市場のニーズを明確に示しています。これは、オーラが単なる日産ノートの上級グレードとしてではなく、独自の価値を持つ「プレミアムコンパクトカー」として、多くのユーザーから真の評価を得ていることの証明です。
オーラの売れ行きが好調である根拠は、客観的な販売データに表れています。発売当初からノートシリーズ全体の販売台数を力強く牽引し、一時はシリーズ全体の約4割をオーラが占めるほどの人気を博しました。
その結果、ノートとオーラを合わせたノートシリーズは、2022年の国内販売において、ハイブリッド車を含む電動車カテゴリーで販売台数第1位を獲得するという大きな成果を上げています(出典:日産自動車株式会社 グローバルサイト)。
この成功の背景には、オーラが新たな顧客層の開拓に成功した点が挙げられます。日産の発表によると、オーラの購入者には従来のコンパクトカーユーザーだけでなく、より大きなセダンやミニバン、さらには輸入車からの乗り換え組が数多く含まれています。
これは、品質や走行性能にこだわるダウンサイジング層の受け皿として、オーラが市場で確固たる地位を築いたことを示唆しています。
「小さな高級車」というコンセプトは、これまで日本の自動車市場では成功が難しいとされてきました。しかしオーラは、e-POWERによるEVのような滑らかな走行フィールと優れた静粛性、そしてクラスを超えた内外装の質感を武器に、このニッチな市場でユーザーの心を掴むことに成功したのです。
市場におけるオーラのポジション
オーラの成功は、現代のクルマ選びの価値観が多様化していることを象كちょうしています。
オーラが獲得した市場評価 | その背景・理由 |
---|---|
プレミアムコンパクトの確立 | クラスレスな内外装の質感とe-POWERの上質な走りが評価された。 |
ダウンサイジング層の獲得 | 大きなクルマは不要だが、品質には妥協したくないユーザーのニーズに応えた。 |
日産のブランドイメージ向上 | 技術力とデザイン性の高さを市場に示し、電動化戦略を牽引する存在となった。 |
コストパフォーマンス以外の価値 | 価格の安さだけでなく、「所有する満足感」や「運転する楽しさ」が選択理由となった。 |
このように、インターネット上で「評判が悪い」というキーワードが見られる一方で、実際の販売市場ではオーラは多くのユーザーから高い支持を得ています。これは、一部の欠点を理解した上で、それ以上に内外装の魅力や走行性能の高さを評価するユーザーが多いことを意味します。
オーラの売れ行きは、スペックや燃費といった数値だけでは測れない「感性に訴える価値」が、現代のクルマ選びにおいていかに重要であるかを示している好例と言えるでしょう。
中古で買う際の注意点と価格の目安

日産オーラを中古車で購入することは、新車に比べて初期費用を抑えられるため、非常に賢明な選択肢となり得ます。しかし、e-POWERという独自の電動システムを搭載しているため、購入前には特有のチェックポイントを理解し、車両の状態を慎重に見極めることが、後悔しないための絶対条件です。
中古車選びで最も重要なのは、e-POWERシステムのコンディション確認です。特に、駆動用バッテリー、インバーター、発電用エンジンという3つの主要コンポーネントの状態が、購入後の満足度を大きく左右します。
駆動用バッテリーは走行距離や使用環境に応じて徐々に劣化していく消耗品であり、その状態は燃費に直結します。中古車を検討する際は、販売店にバッテリーの状態診断を依頼できるか確認するのも一つの手です。
次に重要なのが、保証の有無とその内容です。日産には新車登録から5年間または10万km走行時点までの、e-POWERの主要部品を対象とした「特別保証」があります。年式が新しく走行距離の少ない車両であれば、このメーカー保証が残っている可能性が高いです。
その場合、ディーラーで所定の点検を受けることで保証を継承でき、万が一の際にも安心です。保証がない車両や、販売店独自の保証しかない場合は、保証される範囲や期間を契約前に必ず書面で確認してください。
また、走行距離だけでなく、前オーナーのメンテナンス履歴も重要な判断材料です。e-POWERはエンジンオイルの管理が性能維持に大きく影響するため、定期的にオイル交換が実施されていたかをメンテナンスノートなどで確認しましょう。
中古車選びのチェックポイントと価格相場
2025年9月現在、日産オーラの中古車市場は、発売から数年が経過し、豊富な選択肢の中から選べる状況です。価格の目安としては、2022年式で走行距離が2~3万km程度の車両であれば、支払総額で220万円~260万円前後が中心的な価格帯となっています。もちろん、グレードや装備、車両の状態によって価格は変動します。
チェック項目 | 確認方法 | 注意すべきサイン |
---|---|---|
e-POWERシステム | 試乗時に加速のスムーズさ、異音の有無を確認。可能であればバッテリー診断を依頼。 | 加速時のもたつき、エンジン始動時の大きな振動や異音。 |
メーカー保証 | 車検証で初度登録年月を確認し、保証期間内か調べる。保証継承の可否と手順を販売店に確認。 | 「保証なし」の現状販売車両はリスクが高い。 |
メンテナンス履歴 | メンテナンスノート(点検整備記録簿)で、オイル交換などの履歴を確認。 | 記録簿がない、または記録が不定期な車両。 |
内外装・装備 | シートのへたり具合、BOSEスピーカーやナビなど電装品の動作を確認。 | 年式や走行距離の割に内装の傷みが激しい車両。 |
日産オーラの中古車選びは、e-POWERの特性を正しく理解し、焦らず慎重に進めることが成功の鍵となります。価格の安さだけで判断せず、信頼できる販売店で車両の状態をしっかりと確認し、納得のいく一台を見つけてください。
状態の良い中古車と出会えれば、新車同様の上質なドライブを、より高いコストパフォーマンスで手に入れることができるでしょう。
日産オーラの評判が悪いと言われる理由を総括
日産オーラの評判が悪いとされる点は、硬い乗り心地やe-POWER特有のエンジン音、価格の高さにあります。しかし、内外装の上質な質感やモーター駆動の滑らかな走りは高く評価され、売れ行きも好調です。自身の使い方に合うクルマか、試乗で見極めることが後悔しないための鍵となります。
記事のポイントをまとめます。
- 硬い乗り心地は17インチタイヤと専用サスが原因
- 4WDモデルは2WDより乗り心地がマイルドな傾向
- 発電時のエンジン音が際立ち「うるさい」との評価もある
- エンジン音が車速と連動しないe-POWERの特性
- 高速巡航時の燃費悪化がe-POWERの構造的弱点
- インバーターなど電装系部品に特有の故障リスク
- 過去にエンジン関連部品でリコールを実施した実績
- 内外装の質感は高いが価格はコンパクトカーとして割高
- デザイン優先でグローブボックスなどの収納スペースが不足
- 価格と実用性ならノート、質感と性能ならオーラが最適
- 4WDは高出力リアモーターにより雪道で高い安定性を発揮
- NISMOは走行性能特化のため乗り心地の硬さが欠点
- 3ナンバーの車幅と少ない収納は女性にとって注意点
- 好調な売れ行きはプレミアムコンパクトとしての価値が評価された証
- 中古車はe-POWERの状態と保証の有無が最重要