クラウンスポーツは遅い?真相を徹底解説!0-100km加速や評判も

クラウンスポーツの画像
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街中で強い存在感を放つ、トヨタ・クラウンスポーツ。その革新的で美しいデザインに心惹かれる一方で、いざ購入を検討し始めると、インターネット上では様々な情報が目に入り、迷いや不安を感じてしまうのではないでしょうか。

例えば、スポーティな見た目とは裏腹にクラウンスポーツは本当に遅いのか、あるいはエンジン音がうるさいのではないか、といった走行性能に関する評価。

デザインについても、一部ではダサい、人気ないといった厳しい意見を目にすることもあります。実際の0-100km加速、特に販売の主力であるHEVモデルの実力は、購入前に誰もが知りたいポイントです。

さらに、一時期話題となった受注停止のニュースも相まって、現在の本当の売れ行きはどうなのか、気になる方も多いでしょう。後悔しないための人気色選びや、お得な中古車の情報、そして何より信頼できる口コミや感想、公平なレビューを基にした客観的な評価を知りたい、そうお考えのはずです。

この記事では、そうした疑問や不安の一つひとつに、公開されているデータと多角的な視点から詳しくお答えしていきます。

記事のポイント
  • HEVとPHEVで大きく異なる加速性能
  • 0-100km/h加速タイムの具体的な数値
  • 四輪操舵DRSによる俊敏なハンドリング
  • 「遅い」評判の背景とオーナーの口コミ評価

クラウンスポーツは遅い?加速性能とスペックで徹底検証

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  • 0-100km加速HEVは何秒?PHEVとの違い
  • スポーツの名に恥じないハンドリング性能
  • エンジン音はうるさい?静粛性の実態を解説
  • 燃費は良い?HEVとPHEVの実燃費と維持費
  • 口コミ・感想レビューでわかるリアルな走り
  • 後悔ポイント?後部座席や荷室の広さ

0-100km加速HEVは何秒?PHEVとの違い

クラウンスポーツの加速性能は、HEVモデルでもスポーティな走りを十分に楽しめますが、PHEVモデルはそれを遥かに凌駕する圧倒的な実力を持っています。

同じクラウンスポーツという名前のクルマでありながら、搭載されるパワートレインによってキャラクターが明確に異なるため、どちらのモデルを選択するかでドライブの感覚は大きく変わってくるでしょう。

その理由は、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムの設計思想の違いにあります。HEVモデルである「SPORT Z」は、効率性と走行性能のバランスを重視した2.5Lハイブリッドシステムを採用しています。

システム最高出力は172kW(234PS)を発揮し、0-100km/h加速の公式なタイムは公表されていませんが、多くの自動車レビューサイトなどでの実測値では、およそ7秒台後半から8秒前後とされています。これは日常的な走行シーンや高速道路での合流などで不満を感じることは少ないレベルの性能です。

一方、PHEVモデルの「SPORT RS」は、走りの楽しさを追求した高出力なプラグインハイブリッドシステムを搭載しています。同じ2.5Lエンジンをベースとしながら、よりパワフルなフロントモーターとリアモーターを組み合わせることで、システム最高出力は225kW(306PS)にまで高められています。

この結果、0-100km/h加速タイムは約6秒台前半という、大排気量のスポーツカーに匹敵するほどの俊足を実現しているのです。

両モデルのスペックを比較すると、その違いは一目瞭然です。

項目HEV (SPORT Z)PHEV (SPORT RS)
パワートレイン2.5L シリーズパラレルハイブリッド2.5L プラグインハイブリッド
システム最高出力172kW(234PS)225kW(306PS)
駆動方式E-Four(電気式4WD)E-Four(電気式4WD)
車両重量1,810kg2,030kg
0-100km/h加速(参考値)約7.6秒~8.0秒約6.0秒~6.2秒
EV走行航続距離非対応90km

このように、クラウンスポーツの加速性能は「HEVは日常域で快適な速さ」「PHEVは本格的なスポーツ性能」と要約できます。「遅い」という評価は、主にHEVモデルに対して、より高いパフォーマンスを期待したユーザーからの声である可能性が考えられます。

どちらの走りがご自身の使用目的や好みに合っているか、ディーラーでの試乗などを通じて体感してみることが、満足のいくクルマ選びにつながるはずです。

スポーツの名に恥じないハンドリング性能

スポーツの名に恥じないハンドリング性能
スポカーラボ・イメージ

クラウンスポーツは、その名の通り、従来のクラウンが持っていた穏やかなセダンのイメージを覆すほど、俊敏で意のままに操れるハンドリング性能を備えています。特に、後輪を巧みに制御する四輪操舵システム「DRS」の採用が、このクルマの運転感覚を特別なものへと昇華させているのです。

プラットフォームには、クラウン・クロスオーバーと共通のTNGAプラットフォームが採用されていますが、クラウンスポーツ専用のチューニングが施され、走りの質感が大きく向上しています。

そして、その中核をなす技術が「DRS(ダイナミックリアステアリング)」です。このシステムは、速度域に応じて後輪の向きを変化させ、一台のクルマに二つの顔を持たせることを可能にします。

また、21インチという大径タイヤと専用にセッティングされたサスペンションも、路面をしっかりと捉える高いグリップ力と、ドライバーの操作に俊敏に反応するハンドリングに貢献しています。

さらに、電気式4WDシステム「E-Four」が、走行状況に応じて前後輪のトルクを瞬時に最適配分することで、あらゆるシーンで安定したコーナリングを実現します。

市街地での軽快な取り回し

例えば、狭い路地での右左折や駐車場の切り返しといった場面で、DRSの効果をはっきりと体感できます。時速約60km以下の低速域では、後輪が前輪とは逆の向き(逆位相)に最大4度まで操舵されます。

これにより、ホイールベースが短くなったかのような効果が生まれ、全長4,720mm、全幅1,880mmというボディサイズからは想像できないほど、軽快で小回りの効く動きを見せます。最小回転半径は5.4mと、一回り小さなクラスのSUVに匹敵する取り回しの良さを実現しているのです。

ワインディングロードでの一体感

一方で、カーブが連続するワインディングロードや高速道路のレーンチェンジなど、中高速域での走行時には、後輪が前輪と同じ向き(同位相)に操舵されます。

これにより、車体の横滑りを抑え、非常にスムーズで安定した姿勢でコーナーを駆け抜けることが可能です。ドライバーがハンドルを切り始めると、あたかもクルマ全体が一つの塊となって、間髪入れずにスッと向きを変えていく感覚は、まさに人馬一体。SUV特有の腰高感を忘れさせる、ダイレクトで安心感の高いハンドリングが楽しめます。

このように、クラウンスポーツのハンドリング性能は、単に足回りを硬くしたスポーティさとは一線を画します。DRSをはじめとする先進技術によって支えられた、スマートで質の高いものです。カタログスペックだけでは伝わりにくいこの魅力は、公道での試乗でこそ実感できる部分と言えるでしょう。

エンジン音はうるさい?静粛性の実態を解説

クラウンスポーツの静粛性に関しては、インターネットのクチコミやレビューなどで「エンジン音がうるさい」という意見と、「非常に静か」という肯定的な評価の両方が見受けられます。このように評価が分かれるのは、走行するシーンや選択するパワートレインの種類によって、ドライバーが感じる音の印象が大きく異なるためです。

まず、PHEVモデルの場合、大容量バッテリーを搭載しているため、WLTCモードで90kmのEV走行が可能です。バッテリー残量がある限り、街乗りのほとんどのシーンでエンジンを始動させることなく、モーターのみで走行します。

この状態では、エンジン音はもちろんなく、風切り音やロードノイズがわずかに聞こえる程度で、車内は高級車にふさわしい静寂な空間に包まれます。この静けさを基準にすると、バッテリー消費後や急加速時にエンジンが始動した際の音は、相対的に大きく感じられるかもしれません。

HEVモデル、またはエンジンが作動する状況のPHEVモデルでは、2.5Lダイナミックフォースエンジン特有のサウンドが聞こえてきます。このエンジンは燃焼効率を徹底的に追求して設計されており、従来のクラウンに搭載されていたような多気筒エンジンの滑らかな音質とはキャラクターが異なります。

特に、高速道路への合流や登坂路などで力強く加速しようとアクセルを深く踏み込んだ際には、エンジン回転数が上昇し、それに伴ってエンジン音が車内に伝わりやすくなります。この音を「スポーティで心地よい」と感じるか、「ノイズが大きくてうるさい」と感じるかは、個人の好みやこれまでの愛車経験によって評価が分かれるポイントです。

静粛性が際立つシーン

深夜の住宅街や早朝の市街地など、静かな環境を走行する場面では、クラウンスポーツの静粛性の高さが際立ちます。PHEVモデルであれば、前述の通りEVモードで周囲に気兼ねなく静かに走行できます。HEVモデルであっても、発進時や低速走行時はモーターが主体となるため、非常にスムーズで静かです。

また、高速道路を一定の速度で巡航している際も、エンジンは効率の良い低回転域で安定するため、車内での会話や音楽を快適に楽しむことができます。

エンジン音が気になりやすいシーン

一方で、スポーティな走行をしようとアクセルを大きく開ける場面では、エンジン音が明確になります。特に、力強い加速を維持しようとすると、トランスミッションの特性上、エンジン回転数が高めに保たれる傾向があります。

この時のエンジンサウンドを、運転のダイナミズムを演出する要素と捉えるか、単なる騒音と捉えるかで、このクルマの満足度は変わってくるでしょう。車内全体の静粛性が高いため、ワイパーの作動音など、エンジン以外の音が逆に気になってしまうというユーザーからの指摘があることも、このクルマの遮音レベルの高さを物語っています。

結論として、クラウンスポーツの静粛性は走行シーンに応じて印象が大きく変わると言えます。日常的な走行では高い静粛性を発揮しますが、力強い加速を求める際のエンジン音については好みが分かれる可能性があります。

静かなドライブフィールを最も重視するのであれば、EV走行が可能なPHEVモデルを積極的に検討するか、購入前にディーラーなどで試乗し、ご自身の耳で実際のエンジン音を確認することをおすすめします。

燃費は良い?HEVとPHEVの実燃費と維持費

燃費は良い?HEVとPHEVの実燃費と維持費
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クラウンスポーツの燃費性能は、HEVモデルであればその車格を考慮すると優れたレベルにあり、PHEVモデルは充電環境を最大限に活かすことで圧倒的な経済性を発揮します。ただし、年間の維持費という視点で見ると、特にタイヤの費用など事前に把握しておくべき注意点も存在します。

その理由は、パワートレインの特性と装備されるパーツにあります。まずHEVモデルのカタログ燃費(WLTCモード)は21.3km/Lです。車両重量が1,810kgある4WDのSUVとしては、非常に優秀な数値と言えます。これは高効率な2.5Lダイナミックフォースエンジンと、熟成されたトヨタのハイブリッドシステムが生み出す恩恵に他なりません。

一方のPHEVモデルは、WLTCモードでのハイブリッド燃費こそ20.3km/LとHEVモデルをわずかに下回りますが、このモデルの真価は純粋な燃費数値だけでは測れません。90kmという十分なEV走行航続距離を備えており、自宅や職場などで普通充電が可能な環境があれば、日常的な走行のほとんどをガソリンを一切消費せずにカバーできるのです。

ただし、維持費の面では留意点があります。自動車税や重量税は一般的な2.5Lクラスの車両と同等ですが、全グレードで21インチの大径タイヤを標準装備しているため、タイヤ交換時の費用は高額になる傾向があります。

装着されているタイヤの銘柄にもよりますが、4本を新品に交換する場合、工賃を含めて20万円以上の出費となるケースも想定しておく必要があります。

具体的な年間の燃料費をシミュレーションしてみましょう。年間走行距離を10,000km、レギュラーガソリン価格を175円/L、深夜電力の充電料金を30円/kWhと仮定して比較します。

項目HEV (SPORT Z)PHEV (SPORT RS)
仮定する実燃費15.0km/L14.0km/L(HVモード時)
年間ガソリン使用量約667L約200L(※)
年間のガソリン代約116,700円約35,000円(※)
年間の電気代約32,900円(※)
年間の燃料費合計約116,700円約67,900円

※PHEVは年間走行距離10,000kmのうち7,200kmをEV走行、2,800kmをハイブリッド走行と仮定して算出。

このように、クラウンスポーツはHEVでも十分に経済的ですが、PHEVは充電環境を整備することで燃料費を劇的に抑えることが可能です。カタログ燃費だけでなく、ご自身の走行距離やライフスタイルを考慮し、タイヤなどの維持費も含めたトータルコストで判断することが、賢明な選択と言えるでしょう。

口コミ・感想レビューでわかるリアルな走り

専門家による試乗リポートだけでなく、実際にクラウンスポーツを購入して日々ハンドルを握るオーナーの口コミや感想に目を通すと、カタログスペックだけでは見えてこない「リアルな走り」の評価が浮かび上がってきます。総じて走行性能への満足度は高い一方で、特定の条件下での不満や、個人の感覚による評価のばらつきも見られます。

多くのオーナーから共通して高く評価されているのは、やはりその卓越したハンドリング性能です。前述の通り、四輪操舵システム「DRS」がもたらす回頭性の良さや、21インチタイヤが生み出す路面に吸い付くような安定感は、多くのオーナーが満足しているポイントとなっています。

「SUVに乗っていることを忘れるほどの一体感」「ワインディングを走るのがとにかく楽しい」といった、運転そのものを楽しむ声が多数寄せられています。

しかし、加速性能については、HEVとPHEVで評価が大きく分かれる傾向があります。PHEVモデルのオーナーからは「モーターのトルクフルな加速が病みつきになる」「いかなる場面でもパワーに余裕がある」など、その動力性能を絶賛するレビューが目立ちます。

一方、HEVモデルのオーナーの中には、特にコンパクトなハイブリッド車から乗り換えた方などから「発進時にもう少し力強さが欲しい」という意見が一部で見られます。これは車両重量が1.8tを超えるため、絶対的なパワーが不足しているというよりは、発進時のトルク感が相対的にマイルドに感じられることが原因と考えられます。

満足度の高いポイント(クチコミより)

実際に寄せられている声として、「カーブが連続する道でも車体が全くふらつくことなく、安心してアクセルを踏んでいけます。DRSの効果は想像以上でした」「見た目に惚れて購入しましたが、走りの質の高さにも驚いています。高速道路での直進安定性は、さすがクラウンブランドだと感じさせてくれます」といった満足度の高い感想が確認できます。

不満や改善を望むポイント(クチコミより)

その一方で、「街乗りでは十分ですが、高速道路での追い越し加速など、ここ一番という場面でもう少しパンチが欲しいと感じることがあります」「車内が静かな分、舗装の荒れた路面を走る際のロードノイズが少し耳につきます。タイヤをコンフォート寄りの銘柄に変えれば改善するかもしれません」といった、さらなる改善を望む声も存在します。

オーナーからのリアルな口コミや感想レビューを総合すると、クラウンスポーツはデザインの美しさと安定感の高い走りを評価するユーザーからの満足度が非常に高いクルマであると言えます。

ただ、HEVモデルの絶対的なパワーや、路面状況によっては硬さを感じる乗り心地など、個人の期待値や使用目的によっては不満を感じる可能性もゼロではありません。これらの生の声を参考に、ご自身の価値観と照らし合わせることが、購入後の後悔を防ぐための重要な鍵となるでしょう。

後悔ポイント?後部座席や荷室の広さ

後悔ポイント?後部座席や荷室の広さ
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クラウンスポーツの購入を検討する上で、走行性能やエクステリアデザインと並び、必ずご自身の目で確認すべきなのが、後部座席と荷室(ラゲッジスペース)の広さです。

流麗でエモーショナルなクーペSUVスタイルを最優先した結果、ユーティリティの面ではいくつかの割り切りが必要となり、これがライフスタイルによっては購入後の「後悔ポイント」になり得るからです。

その理由は、スペース効率よりもデザイン性を重視した設計にあります。まず後部座席の空間ですが、クラウンシリーズの他モデル(クロスオーバーやセダン)と比較すると、明確にコンパクトな作りになっています。

特に頭上空間(ヘッドクリアランス)は、後方に向かってなだらかに下降するルーフラインの影響を受け、身長180cm以上の大人が座ると髪が天井に触れる可能性があり、圧迫感を覚えるかもしれません。足元のスペースは平均的な広さが確保されていますが、大人3人が横並びで快適に乗車するには、横幅も十分とは言えません。

次に荷室容量ですが、カタログ上の数値は397Lとなっています。これはミドルサイズのSUVとしてはやや小さめの部類に入ります。日常の買い物や2〜3泊程度の旅行であれば十分対応可能ですが、大きな荷物を積む際には注意が必要です。

例えば、多くのユーザーが気にするゴルフバッグは、後部座席を倒さずにそのまま横向きに積むことは難しく、ドライバーなど長さのあるクラブを抜くか、6:4分割可倒式のリアシートの片側を倒して積載する必要があります。

こんな使い方を想定しているなら要注意

ファミリーカーとしての使用をメインに考えている場合や、アウトドアレジャーなどで多くの荷物を積む機会が多いユーザーにとっては、このスペースの制約が大きなデメリットとなる可能性があります。

後部座席にチャイルドシートを設置し、さらにベビーカーを荷室に積むといった使い方では、他の荷物を置くスペースはほとんど残らないでしょう。

割り切れば大きな問題にはならないケース

逆に言えば、このクルマの主な乗車人数が1〜2人で、後部座席はあくまで補助的なもの、あるいは手荷物置き場として割り切れるのであれば、スペースの狭さは大きな問題にはなりません。積載する荷物も、日常的な買い物の品や、たまにスーツケースを積む程度であれば、397Lの容量で不足を感じる場面は少ないはずです。

このようにクラウンスポーツは、あくまで「スポーツ」という名が示す通り、デザインとパーソナルな走りの体験を最優先に設計されたクルマです。後部座席や荷室の広さは、一般的なSUVに期待される実用性よりも、見る者を魅了するスタイリングを成立させるために最適化された結果と言えます。

このキャラクターを十分に理解し、ご自身のライフスタイルと照らし合わせた上で判断することが、満足度の高いカーライフにつながります。

クラウンスポーツは遅い?購入前に知るべき評判と価値

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  • ダサいし人気ない?デザインと外観の評価
  • ライバル車と比較!レクサスNXやCX-60との違いは?
  • 受注停止は本当?最新の売れ行き状況
  • 後悔しない人気色は?リセール価値も解説
  • 中古価格の相場と賢い買い方をチェック
  • クラウンスポーツはどんな人におすすめか

ダサいし人気ない?デザインと外観の評価

クラウンスポーツのエクステリアデザインは、これまでのクラウンが持つ伝統的なイメージを大きく刷新したものであり、肯定的な意見と否定的な意見が明確に分かれています。

従来のファンからは「ダサい」「クラウンらしくない」という声が聞かれる一方、新しい顧客層からは「未来的でかっこいい」と高く評価されており、まさに賛否両論の状態です。これが一部で「人気ない」という噂につながっていますが、実際には特定の層から強い支持を集めているのが実情と言えます。

否定的な意見の主な根拠は、60年以上にわたって培われてきた「クラウン=日本の高級セダン」という絶対的なブランドイメージからの大きな変化にあります。

威厳のある大型グリルや、水平基調で落ち着きのあるセダンスタイルを好む従来のファン層にとって、トヨタの最新デザイン言語「ハンマーヘッド」を取り入れたシャープなフロントマスクや、欧州のスポーツSUVを彷彿とさせる流麗なシルエットは、これまでのクラウンの文脈とは異質に映ることがあります。

その一方で、肯定的な意見は、これまでの国産車にはない先進的でエモーショナルなデザインを評価するものです。

特に、フェラーリ初のSUVであるプロサングエにも通じると話題になった、滑らかで筋肉質なサイドビューや大胆に張り出したリアフェンダーの造形は、若い世代やこれまで輸入車を選択してきた層にとって、非常に魅力的に感じられます。

「人気ない」という印象は、このような評価の二極化と、車両本体価格が590万円からという価格設定から、誰もが手軽に購入できる車種ではないことが大きな要因と考えられます。

デザインで評価が分かれるポイント

クラウンスポーツのデザインは、見る人の感性やクルマに求める価値観によって、その印象が大きく変わります。

デザイン要素肯定的な評価否定的な評価
フロントマスクシャープで未来的、スポーティクラウンとしての威厳がない、カローラシリーズに似ている
サイドシルエット流麗で躍動感がある、欧州車的セダンとしての落ち着きに欠ける
リアデザインワイド&ローで力強い、先進的奇抜すぎる、伝統的な品格がない
ボディカラー個性的でおしゃれな色が選べるクラウンにふさわしくない派手な色がある

このように、クラウンスポーツのデザインが「ダサい」や「人気ない」と評されることがあるのは、見る人が持つ「クラウン」というクルマへの固定観念に大きく左右されるためです。

伝統を重んじるか、革新を歓迎するかで評価は180度変わると言っても過言ではありません。この挑戦的なデザインこそが、新しい時代のトヨタブランドを象徴しており、従来のファンとは異なる新たな顧客層を確かに獲得している証拠とも言えるでしょう。

ライバル車と比較!レクサスNXやCX-60との違いは?

ライバル車と比較!レクサスNXやCX-60との違いは?
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クラウンスポーツは、レクサスNXやマツダCX-60といった、同じ価格帯の国産プレミアムSUVとしばしば比較の対象になります。しかし、それぞれのクルマが持つ個性や得意分野は明確に異なっており、デザインの方向性、走りの味付け、そしてインテリアの思想を理解することで、どの車種がご自身の価値観に最も合っているかが見えてきます。

まず、デザインの方向性ですが、クラウンスポーツは3車種の中で最もエモーショナルでパーソナルなキャラクターを前面に押し出しています。

一方、レクサスNXはスピンドルボディを象徴とする、都会的で洗練されたエクステリアが特徴です。そしてマツダCX-60は、日本の美意識を追求した「魂動(こどう)デザイン」による、彫りの深い造形と後輪駆動らしい伸びやかなプロポーションが魅力となっています。

次に走行性能ですが、ここにも各社の思想が色濃く反映されています。クラウンスポーツはDRS(四輪操舵)による軽快なハンドリングが最大の持ち味で、運転の楽しさを追求しています。レクサスNXは、徹底した静粛性の追求と快適な乗り心地を重視した、上質で穏やかな移動空間の提供を目的としています。

マツダCX-60は、縦置きエンジンと後輪駆動(FR)プラットフォームをベースとした、しっとりと重厚感のある運転感覚が特徴で、ドライバーとの対話を重視した作り込みがされています。

最後にインテリアと価格帯です。内装の素材感や組み立て精度といった全体の質感では、やはりレクサスブランドであるNXに軍配が上がるという評価が多いです。

クラウンスポーツとCX-60は共にモダンでスポーティな空間ですが、デザインの好みや操作性で評価が分かれるでしょう。価格帯は、CX-60が最も戦略的な設定となっており、クラウンスポーツとNXは近い価格帯で競合します。

主要スペックで見る3車種のキャラクターの違い

各車種のキャラクターを客観的な数値で比較してみましょう。

項目クラウンスポーツ (HEV)レクサスNX (350h F SPORT)マツダCX-60 (PHEV S Package)
車両本体価格(税込)5,900,000円6,170,000円5,390,000円
ボディサイズ(全長×全幅)4,720×1,880mm4,660×1,865mm4,740×1,890mm
駆動方式の基本前輪駆動ベース4WD前輪駆動ベース4WD後輪駆動ベース4WD
走りの特徴軽快なハンドリング静粛性・快適性FRらしい重厚感
荷室容量397L520L477L

このように、クラウンスポーツはライバル車種と比較して、最もドライバー自身の運転の楽しさに特化したキャラクターを持っていることがわかります。

もしあなたが、家族での実用性や絶対的な豪華さよりも、心を動かすデザインや意のままに操れるキビキビとした走りを重視するのであれば、クラウンスポーツは他のどの車種よりも満足度の高い選択となるでしょう。

受注停止は本当?最新の売れ行き状況

クラウンスポーツが「受注停止」になったという情報は、発売初期に生産能力を大きく上回る注文が殺到したことによる一時的な措置であり、現在(2025年9月時点)はその状況は解消されています。売れ行きは決して悪くありませんが、特に高性能なPHEVモデルに人気が集中しており、グレードによって納期に大きな差が出ているのが現状です。

発売当初、クラウンスポーツはその斬新なデザインで大きな注目を集め、トヨタの販売計画を上回る受注を獲得しました。

特に、システム最高出力225kW(306PS)を誇るプラグインハイブリッドモデル「SPORT RS」に人気が集中したため、複雑なPHEVシステムの部品供給や生産ラインの都合上、一時的に新規の注文受付を停止(オーダーストップ)する販売店がありました。

これが「受注停止」の噂として広まった主な理由です。このような状況は、近年の人気の新型車、特に半導体不足の影響が長引いた時期のモデルでは決して珍しいことではありませんでした。

現在の売れ行きを見ると、クラウンシリーズ全体の中では健闘していると言えます。

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会が毎月公開している「乗用車ブランド通称名別順位」では、クラウンはシリーズ4車種(クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステート)の合計台数として集計されていますが、販売現場からの情報を総合すると、シリーズの中ではクロスオーバーに次ぐ人気を維持している模様です。 (出典:一般社団法人 日本自動車販売協会連合会「燃料別販売台数〈乗用車〉」

納期が長期化している理由

現在でもグレードによって納期に差がある背景には、いくつかの理由が考えられます。

要因詳細
PHEVモデルへの人気集中前述の通り、走行性能が高くEV走行も可能なPHEVモデルに注文が偏る傾向があります。PHEVシステムは部品点数が多く生産に時間を要するため、HEVモデルよりも納期が長くなっています。
特定のメーカーオプションバイトーン(2トーン)のボディカラーやパノラマルーフなど、特定の工場装着オプションを選択した場合、生産の順番が後になり、納期が通常より延びることがあります。
販売店の受注枠各販売店には、メーカーから割り当てられる生産枠が存在します。人気の販売店では受注枠が早く埋まってしまうため、結果として納期が長くなる場合があります。

最新の納期情報を確認するには

クラウンスポーツの正確な納期は、生産状況や販売店の受注状況によって常に変動します。最も確実な情報を得る方法は、お近くのトヨタの販売店に直接問い合わせることです。また、トヨタ自動車の公式サイトでも、各車種の「工場出荷時期目処のご案内」が定期的に更新されていますので、こちらも併せて確認することをおすすめします。

結論として、クラウンスポーツの「受注停止」は過去の一時的な状況であり、現在は問題なく購入可能です。

売れ行きも堅調ですが、特に人気のPHEVモデルや特定のオプションを希望する場合は、ある程度の納期がかかることを想定しておく必要があります。購入を本格的に検討される際は、最新の納期情報をディーラーに確認した上で、計画的に商談を進めることが重要です。

後悔しない人気色は?リセール価値も解説

後悔しない人気色は?リセール価値も解説
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クラウンスポーツで後悔しないためのボディカラー選びは、数年後のリセールバリュー(再販価値)を最優先に考えるのであれば、定番の「プレシャスホワイトパール」と「ブラック」の2色が最も堅実な選択です。

しかし、このクルマが持つ個性的なデザインを最大限に楽しみたいのであれば、ご自身の感性を信じて他のカラーを選択することも、日々の満足度を高める上で非常に良い選択肢となります。

その理由は、中古車市場における普遍的な需要の傾向にあります。一般的に、白や黒といったモノトーンのボディカラーは、性別や年齢を問わず幅広い層に好まれるため、中古車として次の買い手が見つかりやすいという特徴があります。

このため、買取店やディーラーは高い査定額を提示しやすくなります。クラウンスポーツもこの例に漏れず、特に有償色である「プレシャスホワイトパール」は、上品な輝きと高級感から最も人気が高く、売却時にプラスの評価を受ける可能性が最も高いカラーです。

一方で、クラウンスポーツはデザイン性の高さこそが最大の魅力であるクルマです。メーカーもその点を強く意識しており、「アッシュ」や「プレシャスブロンズ」といったクールで都会的な中間色や、「エモーショナルレッドⅢ」のような鮮やかなカラーなど、従来のクラウンでは考えられなかった個性的な選択肢が用意されています。

これらの色は、クラウンスポーツの彫刻的なボディラインやスポーティな造形を一層際立たせ、オーナーの個性を表現する上で大きな役割を果たします。

リセール価値は数年後の流行によっても変動するため、数万円の査定額の差を気にするよりも、毎日ステアリングを握る愛車として心から気に入った色を選ぶことが、長期的な満足感につながるという考え方も重要です。

人気カラーランキングとリセール価値の目安

ボディカラーを選択する際の判断材料として、人気の傾向とリセール価値の目安を以下にまとめます。

ランキングカラー名特徴リセール期待度
1位プレシャスホワイトパール定番のパールホワイト。上品さと高級感を両立し、最も人気が高い。◎ (最も高い)
2位ブラックソリッドなブラック。ボディ全体が引き締まり、精悍な印象を与える。○ (高い)
3位アッシュクールで都会的なソリッドグレー。汚れが目立ちにくいメリットも。△ (標準的)
その他プレシャスブロンズ エモーショナルレッドⅢ マスタード個性を演出できるが、中古車市場では好みが分かれる傾向がある。△~× (やや低い傾向)

このように、クラウンスポーツのカラー選びで後悔しないためには、ご自身が「リセール価値」と「所有する満足度」のどちらを重視するかを明確にすることが重要です。

数年後の売却額を最優先する堅実な選択であれば白か黒、日々のカーライフにおける高揚感や個性の表現を優先するのであれば、直感的に心惹かれる色を選ぶのがベストな選択と言えるでしょう。

中古価格の相場と賢い買い方をチェック

クラウンスポーツは比較的新しいモデルのため、中古車市場での流通量はまだ潤沢ではありませんが、新車に比べて支払総額を抑えられる魅力的な車両も少しずつ出始めています。賢く購入するためには、現在の価格相場を把握し、狙い目となる年式やグレード、そして車両の状態を見極めるためのチェックポイントを知ることが不可欠です。

現在(2025年9月時点)の中古車価格は、走行距離が数百km程度の「登録済み未使用車」や、ディーラーの「試乗車アップ」といったコンディションの良い車両が中心で、価格も新車と大きく変わらない水準で推移しています。

しかし、初度登録から1年以上が経過し、走行距離が1万kmを超えた車両に目を向ければ、新車の支払総額よりも数十万円安く購入できる個体が見つかる可能性があります。

中古車で狙い目となるのは、HEVモデルである「SPORT Z」です。高性能なPHEVモデルは新車での人気が非常に高く、中古車市場でも高値を維持しているため、お買い得感が出にくい状況が続いています。

その点、HEVモデルは中古市場での流通量が比較的多く、価格もPHEVに比べると落ち着いてきているため、初期費用を少しでも抑えたい方には最適な選択肢と言えます。

中古車選びで失敗しないためのチェックポイント

中古のクラウンスポーツを選ぶ際には、いくつか重点的に確認すべきポイントがあります。

チェック項目確認すべき内容と理由
年式と走行距離初度登録から1年~2年落ちで、走行距離2万km以下の車両が、コンディションと価格のバランスが良い傾向にあります。過度な低走行車は割高な場合があるので注意が必要です。
修復歴の有無骨格部分の修復や交換を行った「修復歴車」は、走行安定性に問題を抱えている可能性があるため、避けるのが賢明です。必ず販売店に確認しましょう。
タイヤの状態21インチの大径タイヤは非常に高価です。残りの溝が5mm以上あるかを目安に確認し、もし摩耗が進んでいる場合は、交換費用を考慮した上で価格交渉を行いましょう。
メーカーオプションパノラマルーフやバイトーンカラーといったメーカーオプションは後付けできません。ご自身の希望する装備が装着されているかを、車両情報でしっかり確認することが重要です。
メーカー保証の継承新車登録から5年以内(または走行10万kmまで)の車両であれば、ディーラーで所定の点検を受けることで新車保証を継承できます。万が一の故障に備え、保証継承が可能か必ず確認しましょう。

クラウンスポーツの中古車は、流通量が限られている今だからこそ、一台一台の状態をじっくりと比較検討するチャンスがあります。

価格相場を理解した上で、タイヤの状態や保証の継承といった重要なチェックポイントを押さえることで、新車と遜色ないコンディションのクルマを賢く手に入れることが可能です。焦らずに信頼できる販売店で、ご自身が納得できる一台を見つけることが、満足への一番の近道です。

クラウンスポーツはどんな人におすすめか

これまでの情報を総合すると、クラウンスポーツは「伝統的な価値観にとらわれず、クルマのデザインと運転の楽しさを最優先する人」に最もおすすめできる一台です。一方で、ファミリーユースでの実用性や、絶対的なコストパフォーマンスを重視する人にとっては、他の車種の方がより適している可能性があります。

このクルマが持つ最大の魅力は、街中で誰もが振り返るような先進的でエモーショナルなデザインと、SUVの常識を覆すほど軽快で一体感のあるハンドリング性能に集約されます。

これらの要素に強い価値を見出し、心を動かされる人にとっては、後部座席や荷室の広さといった実用面での割り切りや、決して安くはない車両価格を補って余りある満足感が得られるでしょう。

特に、これまで欧州ブランドのクーペやスポーツセダンに乗っていた方が、ライフスタイルの変化から少し車高の高いクルマを必要とした場合などには、デザイン性と走りの楽しさを妥協しない理想的な選択肢となり得ます。

また、メインカーとは別に、日常を彩るセカンドカーとして所有するのも、このクルマの魅力を存分に味わえる贅沢な楽しみ方です。

こんなあなたにおすすめです

  • とにかく見た目が美しく、所有する喜びを感じられるクルマに乗りたい。
  • SUVであっても、キビキビとしたスポーティな走りを楽しみたい。
  • 従来のクラウンのイメージには興味がなかったが、この新しいスタイルには強く惹かれる。
  • 他の人とは違う、個性的で先進的なクルマで自己表現をしたい。

他の車種を検討した方が良いかもしれない人

  • 家族5人が快適に長距離を移動できるクルマを探している。
  • キャンプやゴルフ、ウィンタースポーツなど、多くの荷物を積む趣味がある。
  • 「クラウン」という名前に、伝統的なセダンの格式や、ゆったりとした乗り心地を求めている。
  • 同じ価格帯なら、より広い室内空間や豪華な内装、ブランド力を重視したい。

このように、クラウンスポーツは万人に受け入れられることを目指したクルマではありません。明確なコンセプトのもとに、特定の価値観を持つユーザーに向けて作り込まれた、非常にパーソナルなキャラクターを持つ一台です。「遅い」といった評価も、このクルマの多様な側面の一つでしかありません。

もしあなたがこの記事を通じて、デメリットとなり得る点を理解した上でなお、このクルマのデザインと走りに魅力を感じるのであれば、クラウンスポーツはきっとあなたのカーライフを最高に充実させてくれる、かけがえのないパートナーになるはずです。

クラウンスポーツは本当に遅いのか?性能と評価を総括

クラウンスポーツが遅いとの評判は主にHEVモデルを指し、PHEVモデルは非常に高性能です。デザイン性とDRSによる軽快な走りが最大の魅力ですが、後席の広さなど実用性は限定的です。運転の楽しさを最優先する方にこそおすすめできる一台と言えます。

記事のポイントをまとめます。

  • HEVモデルの0-100km/h加速は7秒台後半から8秒前後である
  • PHEVモデルの0-100km/h加速は約6秒台前半と極めて俊足だ
  • 四輪操舵システム「DRS」が軽快なハンドリング性能を実現する
  • 21インチの大径タイヤが安定したコーナリングに大きく貢献
  • PHEVはEV走行時に高級車にふさわしい優れた静粛性を発揮
  • HEVは高回転まで回すとエンジン音が気になるという意見もある
  • HEVのカタログ燃費は21.3km/Lと車格を考慮すれば優秀だ
  • PHEVは充電環境を活かせば燃料費を劇的に抑えることが可能
  • 21インチの大径タイヤは交換費用が高額になる傾向にある
  • 後部座席、特に頭上空間は狭いという評価が多く見受けられる
  • 荷室容量は397Lでゴルフバッグを積むには工夫が必要となる
  • デザインは先進的で、評価は賛否両論はっきりと分かれている
  • 発売初期の一時的な受注停止は解消され、現在は購入可能だ
  • リセール価値を最優先するなら白か黒のボディカラーが堅実
  • デザインと運転の楽しさを最優先するユーザーにおすすめの車だ
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