
トヨタが生んだWRC直系の本格スポーツ、GRヤリス。そのコンパクトなボディに秘められた圧倒的な加速性能は、多くのクルマ好きを魅了しています。
「一体、このクルマの0-100kmは何秒なのか?」という基本的な疑問から、GRヤリスの0-400mタイム、気になる最高速やサーキット走行に欠かせないリミッターカットの方法まで、その性能には多くの関心が寄せられています。
また、GR兄弟との比較も注目の的です。「GR86とGRヤリス、どっちが速いのか」、そして「GRカローラの0-100タイムとの差」は。さらに、「GRヤリスはスープラより速い」という噂の真相や、実際のGRスープラの0-100タイムとの実力差も気になるところです。
コンパクトカー0-100ランキングでの立ち位置、オーナーによるリアルな口コミ・感想レビュー、そして購入を考えるなら無視できないGRヤリスの中古相場など、知りたいことは尽きません。
この記事では、こうした様々な疑問に応えるため、GRヤリスの0-100加速性能を軸に、その実力をあらゆる角度から徹底的に解説します。
- 0-100km/hの公式タイムと実際の速さ
- GRスープラ・GR86との加速性能差
- サーキットで活きるリミッターカットの効果
- コンパクトカーの常識を超えた加速性能
GRヤリスの0-100タイムは何秒?速さの秘密を深掘り

- 公式発表!GRヤリスの0-100kmは何秒?
- 気になるGRヤリスの0-100実測タイムと加速感
- GRヤリスの0-400m(ゼロヨン)タイムから見る真の加速力
- サーキット派必見!リミッターカットの効果と方法
- カタログスペック以上のGRヤリスの最高速
- 購入前に確認!GRヤリスの中古価格と選び方
- オーナーが語る加速性能の口コミ・感想レビュー
公式発表!GRヤリスの0-100kmは何秒?
トヨタから発売されているGRヤリスの0-100km/h(ゼロヒャク)加速タイムは、公式には明確な数値が発表されていないものの、一般的に5.2秒から5.5秒とされています。このタイムは、コンパクトカーのクラスにおいては驚異的と言える速さであり、多くのスポーツカーに匹敵する性能です。
なぜなら、この卓越した加速性能は、トヨタがWRC(世界ラリー選手権)というモータースポーツの最高峰で培った技術を惜しみなく投入して開発したクルマだからです。具体的には、新開発された1.6リッター直列3気筒ターボエンジン「G16E-GTS」と、路面状況に応じて前後輪のトルク配分を最適に制御する独自の4WDシステム「GR-FOUR」の組み合わせが大きく貢献しています。
2024年4月に発売された進化版モデル(マイナーチェンジ後)では、エンジンの出力がさらに向上しました。前期型と進化版のスペックを比較すると、その進化は一目瞭然です。
項目 | 前期型 (2020年〜) | 進化版 (2024年〜) |
---|---|---|
エンジン | 1.6L 直列3気筒ターボ | 1.6L 直列3気筒ターボ |
最高出力 | 272ps (200kW) | 304ps (224kW) |
最大トルク | 370Nm (37.7kgf・m) | 400Nm (40.8kgf・m) |
トランスミッション | 6速MT (iMT) | 6速MT / 8速AT (DAT) |
このように、進化版では出力が32ps、トルクが30Nmも向上しており、0-100km/hのタイムもさらに短縮されていると考えられます。このため、GRヤリスは単なる速いコンパクトカーではなく、メーカー自身が本気で速さを追求した、まさに「ラリー生まれのスポーツカー」と言えるでしょう。
気になるGRヤリスの0-100実測タイムと加速感

GRヤリスの0-100km/h加速における実測タイムは、国内外の自動車メディアやオーナーによるテストで、公式参考値の5.2秒-5.5秒を上回る数値を記録することが少なくありません。実際、路面や気温などの条件が良ければ、4秒台後半から5秒台前半というタイムが報告されています。
このポテンシャルの高さの理由は、GRヤリスが持つ発進時のトラクション性能にあります。搭載されている4WDシステム「GR-FOUR」は、アクセルを踏み込んだ瞬間のエンジンのパワーを、4輪へ無駄なく伝達します。これにより、FF車やFR車で起こりがちなタイヤの空転(ホイールスピン)を最小限に抑え、静止状態から力強く車両を押し出すことが可能です。
オーナーの口コミ・感想レビューなどを見ても、「体がシートに強く押し付けられるような鋭い加速」といった声が多く見られます。特に、走行モードを「TRACK」モード(前後トルク配分50:50)に設定してスタートすると、四輪ががっちりと路面を掴む感覚と共に、異次元の走り出しを体感できるようです。
また、トランスミッションの性能も加速感に大きく影響します。前期型から採用されている6速iMT(インテリジェント・マニュアル・トランスミッション)は、ドライバーのシフト操作に対して小気味よく反応し、ダイレクトな運転の楽しさを提供します。
一方で、2024年の進化版で追加された8速DAT(ダイレクト・オートマチック・トランスミッション)は、プロドライバーが運転するかのような素早く最適なギヤ選択を行い、MT車に慣れていないドライバーでも最大限の加速性能を引き出すことを実現しました。
ただし、注意点として、その高性能な足回りは、スポーツ走行を前提とした硬めのセッティングになっています。このため、街乗りでは路面の凹凸を拾いやすく、乗り心地が硬いと感じるドライバーもいるでしょう。GRヤリスの真の加速感を味わうには、サーキットのようなクローズドコースが最適なステージとなります。
GRヤリスの0-400m(ゼロヨン)タイムから見る真の加速力
GRヤリスの性能を評価する上で、0-100km/h加速と同様に重要な指標となるのが0-400m、通称「ゼロヨン」のタイムです。このゼロヨンタイムは、発進加速だけでなく、中間加速域を含めた総合的な動力性能を示すもので、GRヤリスは約14秒台前半という優れた記録を持っています。
このタイムは、単にエンジンパワーが強力なだけでは達成できません。むしろ、軽量高剛性なボディ設計が、この卓越した加速力を支える重要な要素となっています。GRヤリスの車両重量は、RZ”High performance”グレードで約1,280kgに抑えられています。これは、ルーフにカーボン素材を、ボンネットやドアパネルにアルミ素材を積極的に採用するなど、徹底した軽量化の追求によって実現されたものです。
パワーウェイトレシオ(車両重量を馬力で割った値。数値が小さいほど加速に有利)で考えると、その優秀さがよく分かります。この軽量なボディのおかげで、エンジンのパワーを効率的に速さへ変換できるのです。
例えば、ゼロヨンにおいてはスタートダッシュ後の速度の伸びも重要になります。GRヤリスは軽量なシャシーと優れた空力性能によって、高速域でも安定した走行を維持し、400mを駆け抜けるまで力強い加速が持続します。
この14秒台前半という記録は、一昔前のハイパフォーマンス4WDスポーツカーである三菱ランサーエボリューションやスバルWRX STIといった車種に匹敵するものです。コンパクトな3気筒ターボエンジンを搭載した車両が、これらのクルマと肩を並べる加速力を持っているという事実は、GRヤリスの設計がいかに優れているかを物語っています。
もちろん、ゼロヨンタイムはドライバーのクラッチ操作やシフトチェンジの技術、当日の天候やタイヤのコンディションによって変動します。しかし、それを差し引いても、GRヤリスが持つポテンシャルは、このクラスの自動車としては間違いなくトップレベルにあると言えるでしょう。
サーキット派必見!リミッターカットの効果と方法

GRヤリスでサーキット走行を本格的に楽しむ多くのドライバーにとって、スピードリミッターカットは非常に有効なチューニングの一つです。これは、国内の自動車メーカーが自主規制で設定している180km/hの速度リミッターを解除し、車両が持つ本来の性能を完全に解放するためのカスタムです。
リミッターカットの最大の効果は、富士スピードウェイのような長いストレートを持つサーキットで、180km/h以上の速度域まで途切れることのない加速を可能にすることです。これにより、ラップタイムの短縮が期待できるだけでなく、GRヤリスのエンジンが持つポテンシャルを余すことなく体感できます。
その方法は、主に2種類あります。一つはエンジンを制御するコンピューター(ECU)のプログラムを直接書き換える方法、もう一つは専用の電子パーツを取り付ける方法です。近年では、車両の配線を加工することなくカプラーオンで手軽に装着できるパーツが主流となっています。
メーカー | 製品名 | 特徴 | 参考価格(税込) |
---|---|---|---|
HKS | Speed Limit Defencer | ECUに車両情報を誤認させリミッターを作動させなくする方式。 | 約40,000円~ |
BLITZ | Speed Jumper | カプラーオンで装着可能なコンパクト設計。 | 約35,200円~ |
ECU書き換え | (各チューニングショップ) | リミッター解除と同時に燃料マップなども最適化可能。 | 約100,000円~ |
ただし、リミッターカットにはいくつかの重要な注意点があります。まず、リミッターの解除自体は違法ではありませんが、公道で180km/hを超えた速度で走行することは明確な道路交通法違反です。このカスタムは、あくまでサーキットなどのクローズドコースで使用することを前提としています。
また、ディーラーでの点検や車検の際には、パーツを取り外すか、機能を一時的に停止させる対応が求められる場合がありますので、販売店や施工したショップに確認が必要です。
カタログスペック以上のGRヤリスの最高速
GRヤリスの最高速は、欧州仕様でリミッターが作動する230km/hというのが一般的な認識ですが、この数値は車両が秘めるポテンシャルの上限ではありません。前述のリミッターカットを施すことで、GRヤリスはカタログスペックを上回る最高速度を記録することが可能です。
この高いポテンシャルの根拠は、第一に強力なエンジン性能にあります。特に2024年以降の進化版モデルでは、最高出力が304psまで高められており、そのパワーはもはや1.6リッタークラスの常識を超えています。6速MTはもちろん、新開発された8速DAT(ダイレクト・オートマチック・トランスミッション)は、パワーバンドを効率的に使い切ることで、高速域での伸びやかな加速を実現します。
加えて、WRC(世界ラリー選手権)のホモロゲーションモデルとして開発された背景から、ボディの空力性能が非常に優れている点も見逃せません。高速走行時に車体を路面に押し付ける力(ダウンフォース)と、空気抵抗のバランスが最適化されており、速度が上がるほどに車体の安定性が増す設計になっています。
リミッターカットのみを施したノーマル状態の車両でも、走行条件が整えば240km/hから250km/h程度に達するというテスト結果も存在します。さらに、ECUチューニングによるブーストアップや吸排気系のカスタムを進めた車両では、260km/hを超える速度域に到達することも夢ではありません。
しかし、最高速を追求するチューニングには注意も必要です。速度が上がるほど、それを安全に受け止めるためのブレーキシステムの強化は必須となります。
また、最高速に特化したセッティングは、普段多用する中速域での加速性能とのバランスを崩す可能性もあります。車両全体のバランスを考慮しながら、信頼できるショップと相談の上でカスタムを進めることが、安全で楽しいカーライフに繋がるでしょう。言うまでもありませんが、その性能を試す場所はサーキットなどの許可された場所に限定されます。
購入前に確認!GRヤリスの中古価格と選び方

GRヤリスは新車市場だけでなく、中古車市場でも非常に高い人気を維持しており、価格は高値で安定しているのが特徴です。その背景には、WRCのホモロゲーションモデルという特別な出自と、生産台数が限られていることによる希少価値があります。そのため、購入を検討する際には、まずグレードごとの価格相場を理解し、車両の状態を慎重に見極めることが失敗しないための鍵となります。
2025年8月現在の市場を見ると、特に高性能グレードである「RZ “High performance”」や、2024年に登場した「進化版」は値崩れが少なく、走行距離の少ない車両は新車価格に近い価格で取引されることも珍しくありません。
以下に、主なグレードごとの中古価格帯の目安をまとめました。
グレード | 年式の目安 | 特徴 | 参考価格帯 |
---|---|---|---|
RS | 2020年~ | 1.5Lエンジン/FF/CVT。街乗り向けのエントリーモデル。 | 約230万円~320万円 |
RZ | 2020年~ | 1.6Lターボ/4WD/6MT。本格スポーツモデルのベース。 | 約380万円~550万円 |
RZ “High performance” | 2020年~ | RZに冷却スプレーやLSDなどを追加した最人気グレード。 | 約450万円~650万円 |
進化版モデル | 2024年~ | 出力向上し8速AT(DAT)も選択可能な後期型。 | 約500万円~700万円 |
中古のGRヤリスを選ぶ際には、価格だけでなく以下の点にも注意が必要です。
- 修復歴の有無
スポーツカーの特性上、サーキット走行などで過度な負荷がかかっていた可能性があります。特にシャシーなど骨格部分に修復歴がないか、販売店にしっかりと確認しましょう。 - メンテナンス履歴
エンジンオイルやブレーキフルードなどが定期的に交換されていたか、点検記録簿で確認することが重要です。特にエンジン、クラッチ、ブレーキといった主要部品の状態は入念にチェックしてください。 - 消耗品の状態
装着されているタイヤはハイグリップなスポーツタイヤが多く、交換費用が高額になる傾向があります。購入時にタイヤの残り溝や製造年を確認しておくことをお勧めします。
これらの理由から、多少価格が高くても、トヨタの認定中古車や信頼できる販売店が提供する保証付きの車両を選択することが、購入後の安心に繋がる賢明な選択と言えるでしょう。
オーナーが語る加速性能の口コミ・感想レビュー
GRヤリスの加速性能については、実際に所有するオーナーから絶賛の声が数多く寄せられています。Web上の口コミやSNSの感想レビューを総合すると、その評価は「1.6リッターという排気量からは信じられないほどパワフル」という点で共通しています。
多く聞かれるポジティブな意見としては、まず街中での走りやすさが挙げられます。低回転域から最大トルクに近い力強さを発生させるエンジン特性のため、信号待ちからの発進や合流などでストレスを感じることがありません。「アクセルを少し踏み足すだけで、クルマがスッと前に出る感覚が気持ち良い」という声は、多くのオーナーが体感しているようです。
また、高速道路やワインディングでのSPORTモード選択時の走りは格別です。4WDシステムが路面をしっかりと掴み、コーナーの立ち上がりでもアクセルを積極的に開けていけます。この安定感と意のままに操れる感覚が、「運転がうまくなったと錯覚するほど楽しい」という評価に繋がっています。
2024年に登場した進化版に搭載された8速AT「GR-DAT」についても、「MTと遜色ないダイレクト感がありながら、変速は電光石火。誰が乗っても速さを引き出せる」と、その完成度を称賛するレビューが目立ちます。
一方で、少数ながらもデメリットや注意点を指摘する声も存在します。 「高性能すぎて公道では性能の半分も使えない。サーキットに持ち込んで初めてこのクルマの真価がわかる」という意見は、GRヤリスのポテンシャルの高さを裏付けるものです。
また、「スポーツ走行時の燃費はリッター10kmを下回ることもあり、経済性を最優先するクルマではない」という現実的な感想も見られます。
これらの口コミ・感想レビューから、GRヤリスは、ドライバーに刺激的な加速と運転の楽しさを提供してくれる最高のスポーツカーである一方、その性能を最大限に活かすにはステージを選ぶクルマである、ということが言えるでしょう。
GRヤリスの0-100加速をGR兄弟やライバルと比較

- GRヤリスはスープラより速いという噂を徹底検証
- GRスープラの0-100タイムとヤリスとの実力差
- GR86とGRヤリス、結局どっちが速いのか?
- GRカローラの0-100タイムとヤリスの性能比較
- コンパクトカー0-100ランキングにおける立ち位置
GRヤリスはスープラより速いという噂を徹底検証
「GRヤリスはスープラより速い」という噂は、クルマ好きの間で頻繁に交わされる興味深いテーマですが、この問いへの答えは「はい」でもあり「いいえ」でもあります。なぜなら、2台の「速さ」の性質が根本的に異なるからです。どちらが優位に立つかは、走行するステージによって明確に変わります。
純粋な直線加速、特に0-100km/hタイムや最高速といった指標においては、GRスープラ(特に3.0L直列6気筒エンジンを搭載するRZグレード)がGRヤリスを圧倒します。これは、エンジンの排気量、出力、トルクといった基本的なスペックの差からくる当然の結果です。
一方で、この力関係が逆転する可能性があるのが、タイトなコーナーが連続するサーキットや、テクニカルなワインディングロードです。ここでは、GRヤリスの真価が発揮されます。
項目 | GRヤリス RZ “High performance” | GRスープラ RZ |
---|---|---|
駆動方式 | 4WD (GR-FOUR) | FR (後輪駆動) |
車両重量 | 約1,280kg | 約1,530kg |
得意なステージ | タイトコーナー、低中速サーキット | 高速コーナー、ストレート |
速さの源泉 | 軽量ボディと4WDのトラクション性能 | 圧倒的なエンジンパワーと安定性 |
GRヤリスの最大の武器は、約250kgも軽い車両重量と、ラリーで鍛え上げられた4WDシステム「GR-FOUR」です。この組み合わせにより、コーナーへの進入速度を高められるだけでなく、コーナーからの脱出時に素早くアクセルを開けてもタイヤが空転しにくく、鋭い加速が可能です。
そのため、ストレートが短く加減速の多いコースでは、スープラがパワーを持て余す場面で、ヤリスが軽快なフットワークを活かしてタイムを稼ぐことができるのです。
結論として、この噂は「状況次第で真実になる」と言えます。高速道路や富士スピードウェイのような高速サーキットでの絶対的な速さではスープラに軍配が上がりますが、峠道やミニサーキットではGRヤリスがその牙を剥く、という非常に面白い関係性がこの2台には存在します。
GRスープラの0-100タイムとヤリスとの実力差

GRスープラとGRヤリスの0-100km/h加速タイムを比較すると、そこには明確な実力差が存在します。ただし、スープラは複数のエンジンラインナップを持つため、どのグレードと比較するかによって、その差の大きさは大きく変わってきます。
まず、トップグレードである「RZ」(3.0L直列6気筒ターボ)の0-100km/hタイムは、約4.1秒から4.3秒とされています。これは、GRヤリスの5秒台前半というタイムに対して、約1秒もの大差をつける数値です。
この1秒という差は、静止状態からの加速競争においては決定的であり、RZグレードに関して言えば、加速性能は完全に別次元にあると言ってよいでしょう。この差は、RZが持つ387psという圧倒的なパワーが生み出すものです。
しかし、スープラには2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載した「SZ-R」と「SZ」というグレードも存在します。ここで比較すると、話は大きく変わります。
「SZ-R」の0-100km/hタイムは約5.2秒。これは、GRヤリスのタイムとほぼ同等です。つまり、SZ-RとGRヤリスは、0-100km/h加速においては非常に良い勝負をするライバル関係にあるのです。
さらに、ベーシックグレードの「SZ」のタイムは約6.5秒となります。この数値と比較した場合、GRヤリスの方が1秒以上速いということになり、力関係が完全に逆転します。
このように、単に「スープラ」と一括りにするのではなく、グレードごとに見ていくと、GRヤリスの加速性能がいかに優れているかがよくわかります。
特に、車両価格を考慮すると、GRヤリスのコストパフォーマンスの高さは際立っています。RZの圧倒的なパワーには及ばないものの、4気筒モデルのスープラと互角以上に渡り合える実力は、GRヤリスが持つ大きな魅力の一つです。
GR86とGRヤリス、結局どっちが速いのか?
「GR86とGRヤリス、結局どっちが速いのか?」という疑問は、トヨタのGRブランドを代表する2台を比較する上で、多くのファンが抱くものです。結論から言うと、0-100km/h加速のような単純な速さの指標では、4WDターボのGRヤリスが有利です。しかし、この2台の「速さ」は、その目的や設計思想が全く異なるため、単純なタイムだけでは語れません。
まず、スペック上の加速性能を見てみましょう。GRヤリスの0-100km/h加速が5秒台前半であるのに対し、GR86は約6.3秒です。この差は、主にエンジンの特性と駆動方式の違いから生まれています。GRヤリスは、ターボチャージャーによる爆発的なパワーと、4WDによる強力なトラクションで、静止状態から一気に加速します。
一方で、GR86は自然吸気(NA)エンジンと後輪駆動(FR)の組み合わせです。ターボのような急激なパワーの盛り上がりはありませんが、アクセル操作に対してリニアに反応し、高回転までスムーズに吹け上がるエンジンフィールが魅力です。FRならではの、クルマの向きを自在に変えられるコントロール性の高さも特徴と言えます。
項目 | GRヤリス | GR86 |
---|---|---|
エンジン | 1.6L 直列3気筒ターボ | 2.4L 水平対向4気筒 NA |
駆動方式 | 4WD | FR (後輪駆動) |
0-100km/h 目安 | 約5.2秒~5.5秒 | 約6.3秒 |
速さのタイプ | 絶対的なタイムを追求する速さ | 操る楽しさを伴う速さ |
サーキットでのラップタイムでは、コースレイアウトによって優劣が変わります。短いストレートとタイトなコーナーが続くコースでは、立ち上がりの加速に優れるGRヤリスが有利になる可能性があります。逆に、中高速コーナーが多く、ドライバーの腕が試されるようなコースでは、軽量でバランスに優れたGR86が速さを見せるかもしれません。
結局のところ、この2台の比較は「絶対的なタイムの速さ」を求めるか、「クルマを操る楽しさの中での速さ」を求めるかという、価値観の違いに行き着きます。どちらもそれぞれの分野で一級品の速さを持つ、魅力的なスポーツカーであることは間違いありません。
GRカローラの0-100タイムとヤリスの性能比較

GRカローラとGRヤリス(2024年発売の進化版)は、トヨタのGAZOO Racingが誇るハイパフォーマンスモデルとして、多くの共通点を持っています。特に、両車に搭載されている1.6リッター直列3気筒ターボエンジン「G16E-GTS」は、GRカローラ、GRヤリス共に304psという同じ最高出力を発揮します。このため、0-100km/hの加速タイムは非常に近い数値を示します。
両車の0-100km/h加速タイムは、公式発表こそないものの、国内外のテストではおおむね5.0秒から5.3秒の範囲に収まっており、実質的に「互角」と言える性能です。どちらかが僅かに速いタイムを記録したとしても、それはテスト時の気温や路面状況、ドライバーの技量による誤差の範囲と言えるでしょう。
それでは、この2台の性能差はどこにあるのでしょうか。それは、加速タイムという数値以上に、「走り」のキャラクターの違いに表れています。
項目 | GRカローラ | GRヤリス (進化版) |
---|---|---|
ベース車両 | カローラ スポーツ | 専用設計ボディ |
車両重量 | 約1,470kg | 約1,280kg |
ホイールベース | 2,640mm | 2,560mm |
ドア数 | 5ドア | 3ドア |
主なキャラクター | 安定性と実用性を兼ね備えた万能型 | 俊敏性と軽快さを追求した競技志向型 |
GRカローラは、ベースとなるカローラスポーツの長いホイールベースにより、高速走行時の安定性に優れています。一方、GRヤリスは、約200kgも軽量でホイールベースが短い専用ボディを持つため、コーナリングでの俊敏さや回頭性で勝ります。
つまり、0-100km/hの加速性能はほぼ同じでも、サーキットでの走り方は異なります。高速コーナーが続くコースではGRカローラの安定感が、タイトなコーナーが連続するコースではGRヤリスの軽快さが、それぞれ武器となるでしょう。
このように考えると、この2台の選択は、単純な速さの優劣ではなく、5ドアの実用性をとるか、3ドアのピュアスポーツ性をとるか、というドライバーのライフスタイルや好みに委ねられると言えます。
コンパクトカー0-100ランキングにおける立ち位置
GRヤリスの0-100km/h加速性能は、一般的な「コンパクトカー」という枠組みの中では、まさに別格の存在です。通常のコンパクトカーが燃費や経済性を最優先に設計され、0-100km/hタイムが9秒から12秒程度であるのに対し、GRヤリスは5秒台前半という、2クラス以上も上のスポーツカーに匹敵するタイムを記録します。
このクルマの立ち位置をより正確に理解するためには、市場をいくつかのセグメントに分けて見るのが効果的です。
セグメント | 代表車種 | 駆動方式 | 0-100km/h 目安 |
---|---|---|---|
標準コンパクトカー | トヨタ ヤリス (1.5L) | FF | 約9秒~10秒 |
スポーティコンパクト | スズキ スイフトスポーツ | FF | 約7秒~8秒 |
GRヤリス | トヨタ GRヤリス (RZ) | 4WD | 約5.2秒 |
海外ハイパフォーマンス | VW ゴルフR | 4WD | 約4.7秒 |
海外ハイパフォーマンス | ホンダ シビックタイプR | FF | 約5.4秒 |
この表からわかるように、GRヤリスは「スポーティコンパクト」として人気のスイフトスポーツよりも2秒以上速く、その性能はもはやコンパクトカーの域を超えています。むしろ、その真のライバルは、シビックタイプRやゴルフRといった、世界的に評価の高いハイパフォーマンス・ハッチバックです。
特に注目すべきは、同じ土俵のライバルとの比較です。FF(前輪駆動)であるシビックタイプRに対して、4WDのトラクション性能を活かして0-100km/h加速では優位に立っています。また、同じ4WDのゴルフRと比較しても、そのタイムは非常に肉薄しており、車両価格を考えれば、GRヤリスがいかに優れたコストパフォーマンスを誇っているかが分かります。
このように、GRヤリスはコンパクトカーの見た目をしながら、その心臓部と駆動系は世界トップクラスの性能を持つ、というユニークな立ち位置にいます。それは、トヨタがWRCで勝つために開発した、まさに「羊の皮を被った狼」と呼ぶにふさわしい一台なのです。
驚異的なGRヤリスの0-100加速タイムに関する総括
GRヤリスの0-100km/h加速は5秒台前半と驚異的です。WRC由来の1.6Lターボと4WDシステムが生み出すその速さは、GR兄弟車や世界の高性能ハッチバックにも匹敵します。タイムだけでなく操る楽しさも兼ね備え、中古市場でも高い人気を誇る一台です。
記事のポイントをまとめます。
- 0-100km/h加速の目安タイムは5.2秒~5.5秒である
- 実測では条件により4秒台後半を記録することもある
- 速さの秘訣は高出力1.6Lターボと4WD「GR-FOUR」にある
- 2024年進化版では最高出力が304psまで向上した
- ゼロヨンタイムは14秒台前半で総合的な加速力も高い
- リミッター作動時の最高速度は230km/hとされている
- リミッターカットで230km/h以上の速度を出すことも可能だ
- 直線加速はGRスープラが圧倒的だがコース次第で逆転する
- 2.0LのスープラSZ-Rとは0-100km/h加速でほぼ互角である
- 0-100km/h加速ではGR86(約6.3秒)より明確に優位だ
- GRカローラとはエンジン共通で0-100km/hタイムもほぼ互角だ
- 一般的なコンパクトカーとは一線を画す別格の加速性能を持つ
- 世界の高性能ハッチバックと比較しても実力は遜色ない
- 希少価値により中古市場では価格が高値で安定している
- 加速だけでなく操る楽しさもオーナーから高く評価されている