インプレッサ スポーツは故障が多い?理由と中古の注意点を徹底解説

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スバルを代表する人気車種「インプレッサ スポーツ」。その卓越した走行性能に惹かれ、特に中古での購入を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし同時に、「インプレッサ スポーツは故障が多い」と聞き、本当に壊れやすいのか、特有の持病や欠点はないのかと不安に感じるかもしれません。中古車が安い理由も気になりますし、購入してから後悔しないかと注意深くなるのも当然です。

この記事では、インプレッサスポーツの実際の耐久性や寿命について、走行距離が10万キロを超えた車両でも適切な整備で何年乗れるのかを徹底解説します。また、気になる年間の維持費や、「日本一故障しない車は?」といった他社比較の視点も交え、購入前に知っておくべき全ての情報をお届けします。

記事のポイント
  • 特有の故障箇所とその根本的な原因
  • 寿命を延ばす必須整備とそのタイミング
  • 良質な中古車の見極め方と購入時の注意点
  • 故障リスクと、この車が持つ本来の価値

インプレッサ スポーツは故障が多い?噂の真相を徹底解剖

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  • 要注意!CVTとオイル漏れは壊れやすい持病か
  • 購入後に後悔?インプレッサスポーツの欠点とは
  • 中古車が安い理由は「故障リスク」にあるのか?
  • 【注意】安易に中古車に手を出すと危険な理由
  • 日本一故障しない車は?他社比較で見る品質

要注意!CVTとオイル漏れは壊れやすい持病か

インプレッサスポーツを検討する上で、特に注意すべき点としてCVTの不具合とエンジンからのオイル漏れが挙げられます。これらは一部の年式やモデルにおいて発生しやすい傾向があり、ユーザーの間では「持病」と表現されることもあるウィークポイントと言えるでしょう。

なぜなら、スバルが採用しているリニアトロニックと呼ばれるCVTは、その構造上、内部のチェーンやプーリーに大きな負荷がかかります。このため、CVTフルードの管理が適切に行われていない車両では、発進時や低速走行時にガクガクとした振動(ジャダー)が発生したり、加速が鈍くなったりするトラブルが報告されているのです。特に初期のモデルであるGP型(2011年~2016年)で、このような不具合の声が多く聞かれます。

一方でオイル漏れは、スバル車の象徴ともいえる水平対向エンジン特有の弱点に起因します。このエンジンは構造が複雑で、シリンダーが横向きに配置されているため、ヘッドカバーのパッキン部分などからオイルが滲んだり、漏れたりしやすいという特性を持っています。これも定期的な点検を怠ると、エンジンの不調や他の部品の劣化を招く原因となり得ます。

実際にディーラーでの車検や定期点検の際に、整備士からオイル滲みを指摘されるケースは少なくありません。また、CVTのトラブルに関しては、警告灯が点灯して走行不能に陥る事例も存在します。その場合の修理費用は高額になる可能性があり、ミッションをリビルト品に交換するだけでも30万円以上、新品であれば50万円を超える費用がかかることもあります。

このように、CVTとエンジンオイル漏れは、インプレッサスポーツが抱える可能性のある代表的なトラブルです。もちろん、全ての車両で必ず発生するわけではありません。適切なメンテナンスを実施し、信頼できる販売店で状態の良い中古車を選択することで、これらのリスクは大幅に軽減できます。購入を検討する際は、こうした故障の可能性を事前に理解しておくことが、長く安心して愛車と付き合うための第一歩となります。

購入後に後悔?インプレッサスポーツの欠点とは

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インプレッサスポーツは、その卓越した走行性能やアイサイトに代表される高い安全性能で多くのファンを魅了するクルマです。しかし、購入してから「こんなはずではなかった」と後悔しないために、知っておくべき欠点もいくつか存在します。主なものとして、「燃費性能」「乗り心地の硬さ」、そして「維持費」の3点が挙げられます。

まず燃費については、スバル独自のAWD(全輪駆動)システムと水平対向エンジンが大きく関係しています。これらは、雨や雪道でも安定した走りを提供するという大きなメリットがある一方、同クラスの他社メーカーの車種、特にトヨタのハイブリッドモデルなどと比較した場合、燃費の数値では見劣りするのが実情です。

カタログ燃 費と実燃費の差を感じることもあり、特に市街地での走行が多い方にとっては、ガソリン代が想定以上にかかるかもしれません。

次に、乗り心地の硬さも指摘されることがあります。これは、スポーティなハンドリングを実現するための足回りのセッティングに由来するものです。グレードや装着されているタイヤサイズ、特に18インチのホイールを履くモデルでは、路面の細かな凹凸や段差を拾いやすく、「突き上げ感が気になる」と感じるユーザーもいます。ご自身の運転では気にならなくても、家族など同乗者からは不満の声が上がる可能性も考慮すべきでしょう。

そして維持費の面では、前述したような故障が発生した際の修理費用が高額になりがちである点が欠点と言えます。それに加えて、日常的なメンテナンスにおいても、例えばエンジンのスパークプラグを交換する際、水平対向エンジンは作業スペースが狭く手間がかかるため、一般的な直列エンジンのクルマよりも工賃が高くなる傾向にあります。

また、アイサイト搭載車は、万が一飛び石などでフロントガラスにヒビが入ると、ガラス交換費用に加えてカメラの再設定費用が必要となり、合計で20万円近い出費になるケースもあります。

このように、インプレッサスポーツには優れた走行性能の裏側に、実用面で考慮すべきいくつかの欠点が存在します。これらの点を購入前にしっかりと把握し、ご自身の使い方や価値観に合っているかをじっくりと見極めることが、後悔のないクルマ選びにとって非常に重要です。

中古車が安い理由は「故障リスク」にあるのか?

中古車市場でインプレッサスポーツを探してみると、同年代のライバル車種に比べて比較的安い価格で販売されていることに気づくかもしれません。その理由として、一部で言われる「故障リスク」への懸念が影響していることは否定できませんが、それだけが全てではないのです。実際には、「市場での豊富な流通台数」や「燃費性能への評価」など、複数の要因が複合的に絡み合って現在の中古車相場が形成されています。

たしかに、CVTの不具合やオイル漏れといった、この車種特有のトラブルの可能性が、一部の中古車購入検討者をためらわせる一因となっています。このような潜在的な修理費用への懸念が、中古車としての需要をいくらか抑制し、結果として価格を押し下げる方向に作用している面はあるでしょう。

しかし、もっと大きな理由として、市場における需要と供給のバランスが挙げられます。インプレッサスポーツは新車として非常に人気が高かったモデルであり、その分、年数が経過すると中古車市場に大量の車両が流通することになります。供給台数が多ければ、買い手を見つけるための価格競争が起こりやすく、相場は自然と落ち着いてくるのです。

加えて、近年のエコカー減税などに代表される、燃費性能を重視するトレンドも価格に影響を与えています。走行性能に強みを持つインプレッサスポーツですが、燃費面では同クラスのハイブリッド車などに劣るため、燃費の良さを最優先に考える層からは選ばれにくい傾向があります。これも、幅広い人気を獲得する上でのハードルとなり、価格が伸び悩む要因の一つです。

このように、インプレッサスポーツの中古車が安い理由は、単に「故障しやすいから」という単純なものではありません。市場の原理やクルマの特性が複雑に影響し合った結果なのです。だからこそ、その背景を正しく理解し、整備記録の確認や信頼できる販売店選びといった基本を徹底すれば、状態の良い車両を非常にお得な価格で見つけ出すことが可能な、魅力的な選択肢と言えます。

【注意】安易に中古車に手を出すと危険な理由

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インプレッサスポーツの中古車は、時に驚くほど魅力的な価格で販売されていることがあります。しかし、その価格の安さだけに惹かれて安易に購入を決めてしまうと、後々高額な修理費用や予期せぬトラブルに見舞われる危険性が潜んでいます。特に注意すべきは「修復歴の有無」「整備記録が不十分な車両」、そして「特有の持病の兆候」を見逃してしまうことです。

なぜなら、相場よりも著しく安い価格が設定されている車両には、多くの場合、何らかの理由が存在します。例えば、外観は綺麗に見えても、過去に事故を起こし、クルマの骨格部分にあたるフレームを修理した「修復歴車」である可能性が考えられます。

修復歴のある車は、ボディの剛性が低下していたり、走行安定性に問題を抱えていたりすることがあり、安全面で大きなリスクを伴います。また、近年多発している豪雨などの影響で、室内まで水に浸かった「水没車」も同様に、電装系のトラブルがいつ発生してもおかしくない危険な状態です。

さらに、前のオーナーによるメンテナンス状況も、中古車のコンディションを大きく左右する要因となります。定期的なエンジンオイルの交換や点検を怠っていた車両は、見えない部分の劣化が進行している可能性が高まります。購入時に整備記録簿を確認できない、あるいは記録が不十分な車両は、こうしたリスクを抱えていると考えた方が賢明でしょう。

具体的な例を挙げると、車両本体価格が50万円と格安だったインプレッサスポーツを購入したとします。しかし、納車後すぐにCVTの不調が見つかり、その修理に40万円の費用がかかってしまった場合、支払総額は90万円に跳ね上がります。これでは、最初から80万円で販売されていた、状態の良い認定中古車を選んだ方が結果的に安く済んだ、ということになりかねません。

このように、インプレッサスポーツの中古車選びでは、価格という一面的な情報だけで判断するのは非常に危険です。安易な選択は、結果的に「安物買いの銭失い」となる可能性をはらんでいます。購入を検討する際は、必ず信頼できる販売店に相談し、車両の状態や過去の整備履歴をしっかりと確認することが、失敗しないための最低条件です。

日本一故障しない車は?他社比較で見る品質

「日本一故障しない車は何か」という問いに対しては、多くの場合、トヨタやその高級車ブランドであるレクサスの名前が挙がります。実際に、米国のJ.D.パワーが毎年発表する自動車耐久品質調査など、客観的なデータにおいても、これらのメーカーは常にトップクラスの評価を獲得しています。では、それと比較してスバル車の品質はどのような位置づけにあるのでしょうか。

まず、トヨタやレクサスが「壊れにくい」と高く評価される理由は、その徹底した品質管理と、実績に裏打ちされた信頼性の高い部品設計にあります。世界中の様々な環境下での使用を想定し、突出した性能よりも、誰もが安心して長く乗れる「品質の安定性」を最優先するクルマ作りを追求しています。この思想が、低い故障率という結果に繋がっているのです。

一方で、スバルは「水平対向エンジン」や「シンメトリカルAWD」といった独自の技術を核に、走行性能や安全性をどこまでも追求する、強いこだわりを持ったメーカーです。

これらのユニークなメカニズムは、時にオイル漏れやCVTのメンテナンスといった特有の注意点を伴うことがありますが、それと引き換えに、雨や雪道でも抜群の安定性を誇る走りや、アイサイトによる世界トップレベルの予防安全性能を実現しています。品質調査においても、スバルは多くの項目で業界平均を上回る評価を得ており、決して品質が低いわけではありません。

例えば、インプレッサスポーツと同じクラスのトヨタ・カローラと比較すると、その違いは明確です。カローラが万人向けの優れた実用性と耐久性を武器にしているのに対し、インプレッサスポーツはAWDによる全天候型の走りやスポーティな乗り味といった、運転の愉しさや安心感という付加価値で勝負しています。

つまり、「故障の少なさ」という単一の指標だけで判断すれば、トヨタやレクサスに軍配が上がるかもしれません。しかし、スバル・インプレッサスポーツは、それを補って余りある独自の魅力と確かな品質を持った自動車です。

どちらが優れているかという議論ではなく、乗り手がクルマに何を求めるかによって、その価値は大きく変わります。スバル車の持つ特性と品質を正しく理解し、付き合っていくことが、満足度の高いカーライフを送るための鍵となるでしょう。

「インプレッサ スポーツは故障が多い」は誤解!長く乗る秘訣

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  • 耐久性と寿命は走行距離でどう変わる?
  • 10万キロは通過点!寿命を延ばsす必須整備リスト
  • 適切な維持費でインプレッサは何年乗れる?
  • 故障を避ける中古車の選び方とチェック項目
  • 【結論】リスク理解で長く付き合える人気スポーツカー

耐久性と寿命は走行距離でどう変わる?

インプレッサスポーツの耐久性は、一般的に見て非常に高い水準にあります。このため、適切なメンテナンスを継続的に行うことを前提とすれば、走行距離が20万キロを超えても乗り続けることは十分に可能です。かつては「車の寿命は10年10万キロ」という言葉が定説のように語られていましたが、現代の自動車製造技術は格段に進歩しており、インプレッサスポーツもその例外ではありません。

もちろん、走行距離が伸びるにつれて、クルマの状態が新車と同じであり続けるわけではありません。走行距離は、各種部品の劣化度合いを測るための重要な目安となります。例えば、エンジンやボディといったクルマの骨格を成す部分は非常に頑丈ですが、サスペンションに使われるゴム製のブッシュや、発電を担うオルタネーター、エンジンの冷却を司るウォーターポンプといった部品は、走行距離に応じて確実に消耗していきます。

また、同じ10万キロという走行距離でも、そのクルマがどのような環境で使われてきたかによって、実際の劣化具合は大きく異なります。市街地での信号待ちや渋滞が多く、発進と停止を繰り返してきた車両と、主に高速道路を一定の速度で巡航してきた車両とでは、エンジンやブレーキ、そしてCVTにかかる負担は全く違うものになります。

そのため、中古車を選ぶ際には、単純な走行距離の数字だけでなく、過去の整備記録から、どのようなメンテナンスが施されてきたかを確認することが非常に重要です。

実際に多くのオーナーレビューを見ると、20万キロ、あるいは30万キロといった長距離を走り続けている事例も報告されています。そうしたユーザーの多くに共通しているのは、定期的なエンジンオイルの交換はもちろん、消耗部品が寿命を迎える前に予防的な交換を計画的に行っている点です。

このように、インプレッサスポーツの寿命は、単一の走行距離という数字だけで決まるものではありません。走行距離はあくまで部品交換のタイミングを計るための目安と考え、最も大切なのはそのクルマがこれまで受けてきたケアと、これから行うメンテナンス計画です。これを理解すれば、優れた耐久性を持つこのクルマと長く付き合っていくことができるでしょう。

10万キロは通過点!寿命を延ばす必須整備リスト

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多くのドライバーが車の大きな節目として意識する走行距離10万キロ。インプレッサスポーツにとって、この10万キロは寿命の終わりを意味するものではなく、むしろこれからも長く安心して乗り続けるための、重要なメンテナンスを実施すべき「通過点」と捉えるのが正解です。このタイミングでいくつかの必須整備を行うことが、その後の愛車の寿命を大きく左右します。

なぜなら、10万キロという距離を走る間に、様々な部品が性能低下や劣化を起こしているからです。特に、これまで一度も交換されてこなかった可能性のある油脂類の交換は、最優先で検討すべき項目です。

具体的には、エンジンオイルやブレーキフルードはもちろんのこと、CVTフルードや、AWDモデルであればデフオイルといった駆動系のオイルもリフレッシュすることが強く推奨されます。これらは部品の潤滑や冷却を担うクルマの血液のようなものであり、劣化を放置すると重大な故障を引き起こす引き金になりかねません。

次に、エンジン性能を維持するための点火系部品の交換も重要です。スパークプラグは、10万キロを目安にその性能が大きく低下します。これを新品に交換するだけで、燃費の改善やスムーズな加速感を取り戻すことが可能です。水平対向エンジンは構造上、プラグ交換の工賃がやや高めになる傾向がありますが、それに見合う効果が期待できます。

さらに、大きなトラブルを未然に防ぐための「予防整備」という考え方も大切になります。例えば、エンジンを冷却するためのウォーターポンプや、それを制御するサーモスタット、そして発電機などを動かしているファンベルトといった部品は、10万キロで寿命を迎えることが少なくありません。

これらの部品が走行中に突然故障すると、オーバーヒートなどエンジンに致命的なダメージを与えたり、路上で立ち往生したりする危険性があります。そうなる前に、あらかじめ新品に交換しておくことが賢明な判断です。

このように、10万キロという節目に計画的な整備を行うことは、一見すると大きな出費に思えるかもしれません。しかし、これは故障してから慌てて高額な修理費を支払うのではなく、愛車の寿命を健やかに延ばすための、最も効果的で賢明な投資なのです。

適切な維持費でインプレッサは何年乗れる?

インプレッサスポーツが「一体何年乗れるのか」という問いに対する答えは、車の物理的な耐久性だけでなく、オーナーが「年間でどれくらいの維持費をかけられるか」という経済的な側面に大きく左右されます。税金や保険料といった毎年必ずかかる費用に加え、年数や走行距離に応じたメンテナンス費用を計画的に準備できるのであれば、10年、15年と乗り続けることは決して夢ではありません。

自動車を所有している限り、毎年春には自動車税の納付があり、2年ごとの車検の際には自動車重量税や自賠責保険料の支払いが必要です。インプレッサスポーツ(2.0Lモデルの場合)であれば、自動車税は年間36,000円(2019年10月1日以降の新車登録の場合)かかります。これらはクルマのコンディションに関わらず発生する固定費です。

一方で、車の年数が経ち、走行距離が延びるにつれて増加するのが、修理や部品交換にかかる費用、いわゆる「変動費」です。例えば、走行距離が10万キロを超えれば、前述のような大規模なリフレッシュ整備が必要になるかもしれません。

また、それ以外にもパワーウィンドウのモーターやエアコンのコンプレッサー、各種センサー類といった電装系の部品が、ある日突然、寿命を迎えることもあります。こうした突発的な出費に備えておくことも、長く乗り続ける上では重要になります。

多くのオーナーは、どこかの時点で「修理して乗り続けるための費用」と「新しいクルマに買い替えるための費用」を比較検討することになります。例えば、「車検の見積りが30万円を超えたら買い替えを考えよう」とか、「年間の修理費用が15万円を超えるようになったら潮時かな」というように、人それぞれに判断基準があるはずです。この基準こそが、実質的な「乗れる年数」を決定づけると言えるでしょう。

結論として、インプレッサスポーツの物理的な寿命は非常に長いですが、そのポテンシャルを最大限に引き出せるかどうかは、オーナーの維持費に対する考え方次第です。ご自身のライフプランや予算と相談しながら、計画的にメンテナンス費用を確保していく。これが、魅力あふれる愛車と一日でも長く付き合っていくための、最も現実的で賢明な方法なのです。

故障を避ける中古車の選び方とチェック項目

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インプレッサスポーツの中古車で故障のリスクを避けるためには、「信頼できる販売店で選ぶこと」を大前提として、その上で「整備記録簿の確認」と「試乗を含めた実車の状態チェック」を徹底することが不可欠です。これらのポイントを一つ一つ着実に押さえることで、購入後に予期せぬトラブルに見舞われる可能性を大幅に減らすことができます。

まず最も重要なのは、どのような販売店から購入するかという点です。例えば、スバルの正規ディーラーが扱う「認定中古車」は、厳しい基準をクリアした質の高い車両が多く、購入後の保証プランも充実しているため、初心者の方でも安心して選ぶことができます。

一方で、価格の安さだけを前面に出している店舗の場合、車両の状態について十分な説明がなされなかったり、保証が一切付かない「現状販売」であったりするケースもあるため、慎重な判断が求められます。

次に、そのクルマの過去を知る上で欠かせないのが整備記録簿の確認です。これは人間でいうところのカルテにあたり、いつ、どのタイミングでエンジンオイルやCVTフルードが交換されたかといった、重要なメンテナンス履歴が記されています。

特にインプレッサスポーツの場合、CVTフルードが5万キロ前後で交換されているか、エンジンオイルが定期的に交換されているかのチェックは必須項目です。記録がしっかりと残されている車両は、前のオーナーが大切に乗っていた証拠とも言えるでしょう。

そして、書類だけでは決してわからないクルマのコンディションを、自身の五感で確かめるのが実車チェックと試乗です。以下の項目を参考に、納得がいくまで確認することをお勧めします。

  • 外装と下回り ボディのパネルごとに色の違いや塗装のムラがないかを確認します。不自然な点があれば、過去の修復歴を疑うきっかけになります。また、クルマの下を覗き込み、エンジン周辺にオイルが漏れた黒いシミがないかも見ておきましょう。
  • エンジンルーム エンジンをかけてもらい、異音(「ガラガラ」「キュルキュル」といった音)や不自然な振動がないかを確認します。
  • 試乗 可能であれば必ず試乗させてもらいましょう。発進時や30km/h前後の低速走行時に、ギクシャクした動きや変速ショックがないか(CVTの状態)、ハンドルをまっすぐにした状態で直進するか、ブレーキがしっかりと効くかなどを重点的にチェックします。

このように、故障リスクの低い中古車を選ぶには、ある程度の手間と時間が必要です。しかし、このプロセスを惜しまずに丁寧に行うことが、結果的に満足度の高いカーライフへと繋がります。

【結論】リスク理解で長く付き合える人気スポーツカー

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インプレッサスポーツは、これまで見てきたように、CVTやエンジンオイル漏れといった特有の故障リスクを確かに抱えています。しかし、そのリスクを正しく理解し、適切なメンテナンスと賢い中古車選びを実践することで、その懸念点を補って余りある「走る愉しさ」と「卓越した安全性」を提供してくれる、非常に魅力的な人気スポーツカーです。

このクルマが持つ弱点は、予防的な整備や定期的な点検によって十分に管理することが可能です。10万キロという節目を通過点と捉え、計画的に手をかけてあげることで、その優れた耐久性を長く維持することができます。完璧に故障しないクルマを求めるのであれば、もしかしたらトヨタ車のような他の選択肢の方が適しているかもしれません。

ただ、スバル独自の水平対向エンジンがもたらす低重心で安定した走りや、シンメトリカルAWDによる全天候型の絶大な安心感、そして世界トップクラスと評価されるアイサイトの予防安全性能は、他の同クラスの車種では決して味わうことのできない、唯一無二の価値を提供してくれます。

「雨の日の高速道路でも、もっと安心して運転したい」「毎日の通勤や休日のドライブで、クルマを操る感覚そのものを楽しみたい」といった想いを持つドライバーにとって、インプレッサスポーツは最高の選択肢の一つとなり得るのです。

中古車市場に目を向ければ、その高い走行性能に比して、比較的手頃な価格で販売されている個体が多いのも事実です。これは、この記事で解説したようなリスクやチェック項目を理解し、状態の良い一台を見極める知識さえあれば、極めて高いコストパフォーマンスを発揮することを意味します。

最終的に、インプレッサスポーツは「何もしなくても壊れない優等生」ではありません。しかし、クルマの特性を理解し、定期的なメンテナンスを通じて愛車と対話するように付き合っていける方にとっては、これほどまでに運転が楽しく、信頼できるパートナーはなかなか見つからないでしょう。故障という一面的な情報だけに捉われず、その奥にある本質的な魅力を理解した上で選ぶならば、きっと長く、満足のいくカーライフがあなたを待っています。

●スバル インプレッサスポーツ:2021年12月 発売モデル
型式 排気量 ドア数 シフト 駆動方式 定員 燃費 車両重量 全長×全幅×全高 価格
1.6i-Lアイサイト 3BA-GT2 1599cc 5 CVT FF 5名 14.1km/l 1300kg 4475×1775×1480mm 2,002,000円
1.6i-Sアイサイト アクセントブラック 3BA-GT2 1599cc 5 CVT FF 5名 14km/l 1320kg 4475×1775×1480mm 2,189,000円
1.6i-Lアイサイト 3BA-GT3 1599cc 5 CVT フルタイム4WD 5名 13.5km/l 1360kg 4475×1775×1480mm 2,222,000円
1.6i-Sアイサイト 3BA-GT2 1599cc 5 CVT FF 5名 14km/l 1330kg 4475×1775×1480mm 2,244,000円
1.6i-Sアイサイト アクセントブラック 3BA-GT3 1599cc 5 CVT フルタイム4WD 5名 13.5km/l 1380kg 4475×1775×1480mm 2,409,000円
1.6i-Sアイサイト 3BA-GT3 1599cc 5 CVT フルタイム4WD 5名 13.5km/l 1390kg 4475×1775×1480mm 2,464,000円
2.0i-Lアイサイト 3BA-GT6 1995cc 5 CVT FF 5名 14km/l 1320kg 4475×1775×1480mm 2,244,000円
2.0e-Lアイサイト 5AA-GTE 1995cc 5 CVT フルタイム4WD 5名 15.2km/l 1520kg 4475×1775×1515mm 2,563,000円
STIスポーツ 3BA-GT6 1995cc 5 CVT FF 5名 13km/l 1350kg 4475×1775×1480mm 2,739,000円
アドバンス 5AA-GTE 1995cc 5 CVT フルタイム4WD 5名 15.2km/l 1530kg 4475×1775×1515mm 2,816,000円
STIスポーツ 3BA-GT7 1995cc 5 CVT フルタイム4WD 5名 12.4km/l 1400kg 4475×1775×1480mm 2,959,000円

インプレッサ スポーツは故障が多いという噂の真相を総括

インプレッサ スポーツは、CVTなどに故障が多いという声もありますが、基本的な耐久性は非常に高いです。特有のリスクや燃費などの欠点を理解し、10万キロを目安とした適切なメンテナンスを計画的に行えば、長く乗り続けることが可能です。賢い中古車選びで、走行性能という大きな魅力を十分に楽しめる人気車種です。

記事のポイントをまとめます。

  • 持病としてCVTの不具合と水平対向エンジンのオイル漏れが挙げられる
  • CVTのトラブルは特に初期のGP型で報告が多く、修理は高額になりがちである
  • 同クラス他車と比較して燃費性能が劣る点は欠点の一つである
  • スポーティな足回りゆえに、グレードによっては乗り心地が硬い
  • 独自のエンジン構造により一部メンテナンス工賃が割高になることがある
  • 中古車が安いのは故障リスクだけでなく市場での流通台数の多さも理由である
  • 安価な中古車には修復歴やメンテナンス不足といったリスクが潜む
  • 中古車選びは信頼できる販売店で整備記録を確認することが大前提である
  • 購入前には試乗し、CVTの動作やエンジン異音を必ずチェックすべきである
  • 適切な整備を行えば20万キロを超える走行も可能な高い耐久性を持つ
  • 実際の寿命は走行距離の数字よりも過去のメンテナンス履歴で決まる
  • 10万キロを目安とした油脂類や消耗品の予防交換が極めて重要である
  • 年間の維持費や突発的な修理費を許容できるかが、実質的な寿命となる
  • 故障率の低さだけでは測れない、走行性能と安全性に独自の価値がある
  • リスクを理解し管理すれば、コストパフォーマンスに優れた選択肢となり得る
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